文春文庫<br> 昭和史の謎を追う〈上〉

文春文庫
昭和史の謎を追う〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 604p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167453046
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0121

出版社内容情報

世界中を騒がせた田中上奏文事件から三島由紀夫の自決まで、昭和史にのこる謎を徹底的な資料検討と明快な推理によって見事に解明

内容説明

昭和という新しい時代を待ちかまえていたのは金融恐慌と張作霖爆殺であった。それから六十有余年、日本の運命を左右する大事件が数多く起きた。上巻では「田中上奏文偽造」「2・26」「盧溝橋」「ノモンハン」「南京虐殺」「真珠湾奇襲」「ゾルゲ諜報団」「731部隊」などの謎に、徹底的な調査と明快な推理で迫る。

目次

田中上奏文から『天皇の陰謀』まで
張作霖爆殺事件―青年天皇の「熟慮」
柳条湖事件の新証言―原点に立つ
昭和天皇の二・二六事件―若殿に兜とられて
もう一つの二・二六事件―平泉史学と青年将校
盧溝橋事件(謎の発砲者は誰か;中共謀略説をめぐって)
論争史から見た南京虐殺事件
明暗のノモンハン戦秘史(見捨てられた田原大隊;宮崎連隊と深野大隊の勇戦)
河豚プランと日本―ユダヤ論の系譜
ゾルゲ諜報団東京へ〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

133
もうすぐ平成という時代が終了する。しかし我々はそもそも昭和の総括が出来ていないと思う。昭和という激動の時代について、代表的な事件を時系列的に論じる。出典は著者の「正論」掲載文書。知っていた情報もあれば知らない情報もある。特に「ゾルゲ事件」、「関特演」、「731部隊」については私の知識も疎く興味深く読んだ。「南京事件」や「真珠湾奇襲」は個人的な意見と相容れない部分もあった。こうやって振り返ると64年あった昭和という時代は、当初の20年間に揺れに揺れたと思う。敗戦と押し付けの憲法からの欺瞞は現在も続いている。2019/02/24

CTC

12
99年文春文庫、単行本は93年同社。80年代中頃から90年代初頭にかけての雑誌発表テキストを纏めたもの。タイトルの通り、昭和史上に横たわるイシューを、上下巻で43も拾い考察している。上巻は“田中奏上文”(1929年頃より流布)から特攻、細菌戦まで(〜45年。原爆や終戦を下巻巻頭に持ってくるところが文春のニクいところ)。雑誌連載ゆえ各章の分量は20〜40頁ほどと短く、テーマもやや散漫だが、故に興味の幅を広げてくれるような章を含んでいる。2017/06/30

犬養三千代

9
謎は謎のままかも知れないが、アプローチが面白い❗昭和天皇の226 はとくに良かった。 ノモンハン、桜花、細菌戰は以前から興味があり、びっくり。石井さんご結構長く生きていたとは? 戦争って何だろう2018/01/14

高橋 橘苑

5
読み応えのある内容と分量で、昭和史の出来事を丹念に追っている姿勢に共感を抱く。最近、チャーチル関連の本を読んだので、真珠湾攻撃に関してだけ少し感想を書くと、どうして真珠湾攻撃なんてしたのかなと疑問がわく。本書では対アメリカの視点からの内容が殆どであるが、山本五十六長官の認識が間違っていたのではないか? あの時点でチャーチルは非常に苦悩していたし、ルーズベルトは戦争のきっかけを必死に探していた。結局は情報戦で敗れ去っただろうが、戦争の本当の教訓は日本人の心の中にある。エゴの強い者が真の勝者とは思えない。2013/10/08

undine

1
昭和に起きた大事件を当事者、生存者への聞き取りや各種文献を通じて検証した書。当時の出来事を体験した人が生きていた時代にこのような丁寧な調査ができたのは良かった。しかしその後新たな資料が発見、公表されたり、世界情勢の変化で新たに出てきた資料もあったり、新事実が明らかになったりと、割と最近の歴史であっても常に見直しが行われている。定説とされている歴史を常に検証する姿勢も大切にしたい。2024/02/21

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