文春文庫<br> カルト資本主義

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文春文庫
カルト資本主義

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  • サイズ 文庫判/ページ数 475p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167443023
  • NDC分類 335.21
  • Cコード C0134

出版社内容情報

京セラ『稲盛和夫』の信仰。ソニーと超能力。船井幸雄と労務管理。生きがい商法「アムウェイ」。永久機関開発に群がる大企業──

内容説明

バブル崩壊以降の90年代、日本の企業社会は、寄り添うようにオカルティズムに傾斜していった。ソニーの中にあった「超能力」研究所。エネルギー保存則によってその存在を否定されたはずの「永久機関」に投資する商社。科学技術庁のオカルト研究会。一見バラバラに見えるこれらの現象はその深層海流でつながっていた。

目次

第1章 ソニーと「超能力」
第2章 「永久機関」に群がる人々
第3章 京セラ「稲盛和夫」という呪術師
第4章 科学技術庁のオカルト研究
第5章 「万能」微生物EMと世界救世教
第6章 オカルトビジネスのドン「船井幸雄」
第7章 ヤマギシ会―日本企業のユートピア
第8章 米国政府が売り込むアムウェイ商法
終章 カルト資本主義の時代

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さえきかずひこ

20
ソニーにあった超能力研究所、永久機関に関心を示す住友商事や大林組、オカルトを人心掌握のために用い金儲けに走る京セラの稲盛和夫、税金をオカルト研究に支出する科学技術庁、万能微生物EMと世界救世教の内部抗争、船井"脳内革命"幸雄、カルト農業のヤマギシ、日本アムウェイと米国アムウェイの関係という8つのテーマを取材し大企業が貪婪な金儲けのために疑似科学や自己啓発を利用し、それが個がなく集団主義的なわが国の会社員たちに浸透していく様を活写する。単に現象だけでなくその裏に流れるオカルティズムの精神にまで踏み込む好著。2019/12/01

山口透析鉄

17
ニッポン会社ムラの前近代性、この本を読むだけでもかなり分かりますね。労作の佳作で、稲盛京セラ様、未だに持ち上げられている追悼記事も見ましたから、この本、全く古びていませんね。 増補版、読みたいですね。2003/03/29

加藤久和

10
ヤマギシ会での子供の頃の生活を綴った漫画を読んだこともあって斎藤貴男氏のこの名著を再読してみた。初版は20年前に出版された本だが現実は悪い方向へと止まることを知らず進み、カルトに侵された政治家が内閣をほぼ占拠するという異常事態が目の前に出来している。日本の経営者達の人間不信は深刻で、彼らは労務管理のためには働く者の心の中まで完全に支配しなければ気が済まないらしい。装いも新たに次から次へと登場するカルト教祖達の嘘を見抜くことはそれほど難しいことではないのだが、騙される人々が後を絶たないことが何とも残念だ。2017/05/07

ウェイランド

8
超能力開発にEM菌、ヤマギシ会と8つの事象の深層には、ニューエイジ思想からのオカルティズムと日本の資本主義があった。20年近く前の話だけど今もEM菌はせっせと除染活動してて、ヤマギシ会も未だ健在とカルト資本主義はまだまだ現役。2016/06/20

i-miya

7
2006.01.09    ソニー村 JR五反田7.8分 御殿山 大小14棟 かたくなにこの場所 ESPER研究室室長 佐古曜一郎 超能力研究第一人者 P015 ルネ・デカルト 1596-1650  物神二元論 ソニーが怪しげな超能力の研究に乗り出しているという噂 「噂の真相」(1995.02)など  オウム事件以降、ソニー、存在を公表 ヒューマンサイエンス 井深大を説得 精神世界を研究 「あんた、勝手にやりなさい」 利根川進、坂本龍一  2006/02/02

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