内容説明
バッグじゃなくて紙袋、出されたおしぼりで顔を拭き、ハッと気づけば仁王立ち。年々すすむオジサン度に加え、さらには、人の名前が出てこない、洗顔フォームと歯磨きを間違える…。激しさを増すボケ具合に戦き、老後の心配を始めながらも、日々の発見と喜びに胸躍らせるアガワの大人気爽快エッセイ集。
目次
ボケ初め
紙袋中毒
我流茶道
ダンシングばあさん
ホルモン効果
オバサン的憂い
背丈コンプレックス
いちばん怖いもの
あくびの歌
めずらしく死について
キスは盲目
香港の夢〔ほか〕
著者等紹介
阿川佐和子[アガワサワコ]
エッセイスト。1953(昭和28)年、東京都に生まれる。現在『週刊文春』にて対談「阿川佐和子のこの人に会いたい」を連載中。99(平成11)年、檀ふみ氏との往復エッセイ「ああ言えばこう食う」(集英社)により、第15回講談社エッセイ賞受賞、2000年、初の小説「ウメ子」(小学館)により第15回坪田譲治文学賞受賞
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感想・レビュー
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あつひめ
70
阿川さんの周りにはとても面白い人や事がいっぱいあって面白そう。と言うより、その面白いことに素直に反応できる阿川さんの心が素敵だと思う。一世を風靡したルーズソックス、久々に思い出しました。今考えたらすごいスタイルだ・・・。阿川さんの友人の話がいろいろ書かれているけれど、微笑ましい印象を受ける。やはり阿川さんのチャーミングな人柄のせいだろう。毎週テレビに映り様々な人と話をする様子からも話題の豊富さがうかがえる。こんな友人が居たら女子会も楽しいだろうなぁ~なんて思ったり。2冊続けて阿川天然ワールドを堪能した。2013/01/14
佐島楓
29
作家の目だなあ、と思う。日常を面白いネタに仕上げてしまうアガワさんの目が、である。どんな自虐的なネタであろうと、こうまとめれば楽しくなるわよね、とほくそ笑んでいらっしゃる姿が目に浮かぶ。そういう意味で、素敵だし、ちょっとだけコワい。2014/03/10
chatnoir
17
40代くらいの頃のエッセイかな。まだバブルだ(笑)紙袋が好き...表紙がそのままの話が面白かった。時々登場する 檀ふみさんも楽しいです。洋服に名前を付ける...私もする(笑)時々、ですぞ...とか阿川さんらしいのかもしれないけど、え?っと思う語尾がちょっと楽しい。2019/07/16
スズコ(梵我一如、一なる生命)
17
面白い、のだけれど、世代の違い、時代の違いを感じた。20年近くも昔の本だ、無理もない。この本の後、いかず後家は負け犬になり、そしてジェーン・スーがやって来た(私の勝手な認識だけれども)。気持ちとしては、ジェーン・スーも阿川さんと同じくらい楽しんでる。そして苦味をちょっぴりだけどハッキリ書いている。何もかもを笑い飛ばす訳にはいかないと言うのが今の向きか。20年前を振り返った時に、しっかり自分には意識も記憶もあって、振り返れてしまう存在になったことを認識したのが、私の中でのこの読書の最大の抉られどころだった。2017/05/08
駄目男
15
檀ふみと阿川は共に父親が作家にして、娘二人は同学年で親友。違うのは身長で壇は170㎝もあるが、阿川は150㎝もない。ある日、二人で旅をした時の事、道中暇だからクイズをしないかと壇が持ちかけた。教養高い壇に、無教養がバレるから一旦は断ったのだが「大丈夫よ、好きなように言ってみて」といわれ、その誘いに乗ってしまった。「『あいみての のちの心にくらぶれば 昔はものを思わざりけり』ってどういう意味か解釈せよ」「あいみて・・・あいみてね」「ほら、あの時代の歌なんて、みんなそちらの方面の話だから」2024/01/29