出版社内容情報
ソ連、中国、北朝鮮への迎合報道が社内にはびこる中、孤立無援で戦った元朝日記者による痛憤の手記。最新朝日事情を追記した決定版
内容説明
本書は、ソ連、中国、北朝鮮への迎合報道が社内にはびこる中、本当の言論の自由を守るために孤立無援で闘った元朝日新聞記者による痛憤の手記である。90年代の自社連立政権擁護論、戦後決議推進論、オウム問題等々に表れた朝日新聞の報道姿勢についても厳しく精査した最新朝日事情を追記した決定版。
目次
第1部 中国報道への弾圧
第2部 ソ連報道の奇怪さ
第3部 塗りつぶされた「戦争協力研究」
第4部 「風にそよぐ葦」たちの迎合病
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobody
9
朝日の中からの批判は貴重だと思って読んだが、何のことはない、初めからサンケイ統一日本会議的体質をもった男が間違って朝日に紛れ込んでいただけだった。4年後の「文庫版へのあとがき」ではもう体質を隠そうともしなくなった。何といってもこの御仁はどういう思想的基盤に立っているかというと、年金制度は廃止すべし、新聞の最大目標が平和というのはおかしく奴隷の平和より自由のための戦いが尊い、新聞が低俗化するのは知的水準向上から取り残された現実知らずの主婦層が購読権を握っているからだ、公害は文明の罪であって特定の企業の罪では2022/10/25
村上春巻
9
【A+】孤軍奮闘、孤立無援。
けんと
3
朝日新聞元記者の手記。著者は社内の言論の在り方に疑問を呈し、社員時代も多くの苦労をされた方。日本は社会的同調圧力が強いと常々感じているが、言論の発信源であるマスメディアも日本社会の縮図であり、他人と異なる意見を述べるのは大きな犠牲をともなう。否、この手記を読む限り、新聞社内でじぶんの信念を曲げないことの方が難しいやもしれない。マスコミに働く人は、日本マスコミ体質の矛盾をついた第4部だけでも熟読すべき。先人石橋湛山の、新報社の主義を捨て軍部に迎合するくらいなら自爆して滅びた方が遥かに世のため、の言葉は重い。2013/12/30
undine
2
何かと評判が悪い朝日新聞の問題点をかなり昔から具体的かつ的確に指摘していた良書。初読はかなり昔だったが、朝日新聞の体質がいまだに変わっていないことに驚かされる。病膏肓に入る状態となり、すでに再生を望むことは不可能なのだと絶望せずにはいられない。
やいとや
2
吉田調書事件のときに読み返し、登録を忘れていた。この本に書かれた時代と、吉田調書のときと何ら変わりはないが、ではその後に当たるいまはどうかといえば、やはり変わっていないと思う。この頃の話でよくわからないのが、北朝鮮礼賛という話。北朝鮮はいつまで「理想の国家」だったのか。それはさておき、ぼくは朝日新聞が大好きです(朝日新聞を読まないと週刊文春を読む楽しみが減るのです)。2016/02/13