文春文庫<br> 剣と法典 - 小ナポレオン山田顕義

文春文庫
剣と法典 - 小ナポレオン山田顕義

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  • サイズ 文庫判/ページ数 381p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167357146
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

幕末から維新にかけて、あらゆる戦争に参加した生粋の軍人でありながら司法大臣として司法に心血を注いだ軍人政治家の波瀾の生涯

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マッピー

11
幼い頃より松下村塾に通い吉田松陰に兵学を学び、その後大村益次郎から軍事学を学んだ用兵の奇才と言われたのが、この山田顕義だ。憲法の起草にもかかわったが、山田が主として作り上げたのが民法と商法。その先見的な家族の在り方や、公平に開かれた商取引の下地つくりは、既得権益を守る人たちから猛反対を受け、山田が準備したほう分が日の目を見たのは彼の死後、第二次大戦での敗戦後のことなのである。長州藩に対する思い入れが強すぎるきらいがあるので、歴史小説としてはどうかと思うけれど、知らなかった歴史を知ることができた。2016/12/18

BIN

9
吉田松陰と大村益次郎から軍学を学び用兵の奇才と謳われた山田顕義を描いた作品。前作の児玉源太郎を読んで興味を覚えた人物です。本作ではあまり用兵の奇才ぷりが表現できてませんが、法典の制定に精魂込めた感じがよく見て取れた。野心がないせいか明らかに才能が劣ってそうな山県にしてやられまくりです(古川さんは山県嫌いなのではと思えるくらい)。軍務でも法典でも政敵に潰されて可哀想に思えてきた。桂小五郎と仲いい人物というのも珍しい。2018/05/03

ほうすう

8
山田顕義という人物については名前は聞いたことはあるがなにをなした人物かというと寡聞にしてよく知らなった。ざっくりとながら彼について知ることはできたか。彼ほどの人材出自であればあと数年生きていれば元老になりもっと知名度もあがったであろうに惜しいことだ。しかし本書における山縣有朋はずいぶんと嫌な奴である。小説としては少々説明が多すぎる気や、どことなく昭和に好まれたであろう古臭さを感じてしまうこともあり。ちょっと好きではないかなという印象。2019/06/29

さっと

2
本編の主人公・山田顕義は、何年か前の正月ドラマで取り上げられ、「テレビ局もなんと物好きな」と妙に印象に残っていた人物。かの有名な松下村塾門下にあって、志半ばでたおれた高杉晋作や久坂玄瑞、明治の世で絶大な権力をふるった山県有朋や伊藤博文など、そうそうたる先輩・同輩と交わりがあり、歴史的な対外衝突・下関戦争から明治新政府が国内平定した戊辰戦争まで幕末期の戦場を前線で生き抜き、維新後は独立国家の礎ともいうべき国内法の制定に尽力し・・と、まぁ、この一人物に幕末・明治の歴史が凝縮されていると見ても過言ではなかろう。2013/03/25

@yuc

1
これぞ文武両道!という方ですね。法律の基礎を作り、日大の基礎を作った方だというの、勉強になりました。山田顕義の最期は、同じく古川薫さん作「天辺の椅子」児玉源太郎の最期のような、ミステリー仕立てになっていますね。陰謀論大好き人間にはたまりません。2023/03/17

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