文春文庫<br> 本をつんだ小舟

文春文庫
本をつんだ小舟

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  • サイズ 文庫判/ページ数 327p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167348113
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0195

出版社内容情報

コンラッドの『青春』、井上靖の『あすなろ物語』等、作家がよるべない青春を共に生きた32篇の名作について語った魅力の読書案内

内容説明

母が睡眠薬自殺をはかった夜、押入れの中で読んだ初めての大人の小説「あすなろ物語」。高校の天城旅行中、眠られぬまま一晩中読み続けたチェーホフ「恋について」。生涯に一度だけ父親を投げ飛ばした記憶が鮮やかに甦る「青べか物語」。よるべない青春時代を照らす一筋の光のような存在だった32冊の名作を紹介する読書案内。

目次

ジョセフ・コンラッド「青春」
上林暁「野」
フロベール「トロワ・コント」
ボードレール「悪の華」
山本周五郎「青べか物語」
ファーブル「昆虫記」
「寺山修司歌集」
宇野千代「おはん」
水上勉「飢餓海峡」
チェーホフ「恋について」〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takaichiro

121
輝さんが中学二年生から高校卒業するまでに読んだ小説の書評に合わせ、その頃の出来事や心情を書き表した青春譚。若い頃、何を読み何を感じたかを語る。作品に行き着いた経緯や、小説は好きだがまさか自分が作家になろうとは露にも考えていなかったこと。父親との関係・確執や作品に繋がるエピソードなど輝さんを深く知り、身近に感じるヒントがたくさん。「本をつんだ小舟」とは輝さん自身のこと。いつものことながら表現が粋ですねぇ。あとがきの母親への思いもいい。ファンにとっては必読書。輝さんをこれから読む方々にもオススメ。2020/02/07

遥かなる想い

62
宮本輝の本を片っ端から読んでいた頃、読んだエッセー。本と積んだ世界に入り込みたかった。2010/05/09

まーみーよー

33
面白かった。宮本輝さんが若かりし日に読んだ作品の読書案内なのだが、宮本さんの少年時代、思春期を振り返るような文章とともに作品が紹介されるので読み物としても、読書案内としてもどちらとしても面白い。32作品のうち4作品しか読了していなかったが、既読、未読関係なく読ませる素敵な文章。また、各作品に対してこんなに感受性が高く、解像度の高い感想が書けるのかと感嘆する。やはり宮本さんは名文家だなと思う。2024/02/13

佐島楓

31
著者が十代のころに読んだ本についてのエッセイ集。いかに複雑な家庭環境の中、本に救われてきたか、作家を目指すきっかけになったのがこの時期なのかがよくわかる。十代という人生でいっぺんしかない時代は読書に最適なタイミング。そのときにどんな本に出会えたかがその人のその後の考え方に大きな影響を与えるだろう。宮本さんは苦しみながらも豊かな読書体験をなさり、ご両親を赦せるようになられたのもそのためではなかったかと思う。素敵な作品集だった。2014/02/26

13
宮本輝氏が選んだ32作品、これは、全部読まなくてはいけないなぁ。何作かは読んだことあるけど、興味津々な本がまた、たらふくでてきた。Amazonで早速数作品購入しました。楽しみ楽しみ。2014/03/19

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