文春文庫
真夏の犬

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  • サイズ 文庫判/ページ数 237p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167348090
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

少年の日の悲しみ、青春の日の痛みを、強く深く語りかける九つの秀作短篇群。作家の人間への暖かい眼差しが、ジカに伝わってくる

内容説明

野良犬に囲まれた夏の日の恐怖、転校してきた混血の美少女をめぐる争い、アル中の母と住んだ古いアパート、奇妙な香具師が売っていた粉薬、同級生の女の子の危険なささやき…。歳月のへだたりを突き抜けてよみがえる記憶を鮮烈に刻みつけ、苦悩と慰めの交錯する人生への深い思いを浮かびあがらせた九つの短篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

102
宮本輝の青春短編集。各篇に「闇のような毒」が感じられて面白かった。宮本輝の初期の頃にあった、ひどく哀しく、それでいて心がなぜかなごむような物語が満載されている。 2010/05/12

ehirano1

80
香炉について。過去の事はほじくり返すもんじゃないなぁ、と。だけどもそれはなかなか難しい。そして行き着いた先に待っているものに何を期待するのでしょうか。そんなことを考えさせられた物語でした。2023/07/11

佐島楓

61
短篇集。回想の形をとり、雑然とした、ときに絶望的な世界を描き出す。世界というより、世間を描いているといったほうが正しいのかもしれない。思うようにならない。しかし、生きている。2015/12/29

kinkin

60
また読みたいなと思った。宮本輝ワールドが散りばめられている。他の読メさんが"追憶の作家"と書かれていたがまさにその通り。追憶というものは普段は本人にしか分からないし知らないのだけれど彼の小説はその追憶を手のひらに乗せて、目の前に差し出されたように感じることがある。同時に熱い空気やホコリの匂い、汗のニオイ、話し声や物音など人の生活も見せてくれる。宮本輝というととても取っ付きにくいイメージのある作家だった。しかし彼の繰り広げる世界が少しずつわかってくると今度はハマってしまうようだ。次は長編に挑みたい。2015/06/23

巨峰

56
不思議。私とは20歳しか違わないのに宮本輝さんの描く大阪は、まるで別世界のように感じる。ガリシア・マルケスの描く小説の舞台である南米の町のようだ。神話が残っていた時代の大阪の話その他。(尼崎は大阪ちゃうけど、笑)2015/07/04

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