内容説明
遅ればせながらワープロ派に転じ、難しい漢字もどんどん使ってしまうのだ!?辛さには甘さにはない妖しい深さがあると思考し、「うーむ出力一丁」できあがりシステムで小説が書けないかと夢想する。「赤マント」連載400回、作家生活20年、30年めの結婚記念日、15年ぶりのアメリカ、イナズマ移動の旅もまた。
目次
戦闘的文学賞作戦
まぶたがぴくぴく
堂々めぐり
ツミレのミンチ攻撃
線虫文字からの脱出
ボロボロゾウシとの再会
雪国東京
ミニパトとのタタカイ
我、ゲホゴホ怪獣となりて
うーむ式電脳小説〔ほか〕
著者等紹介
椎名誠[シイナマコト]
作家。「本の雑誌」編集長。昭和19(1944)年、東京生れ。著書は「岳物語」(正・続、集英社)、「犬の系譜」(講談社、吉川英治文学新人賞受賞)、「アド・バード」(集英社、日本SF大賞受賞)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
52
爆笑旅のエッセイは定番的におもしろかった。いつものことながらあの文体と「マサコよ責任をとれ!」とか、タイトルのセンスが良くて、ついつい笑ってしまう。かえって沢野ひとしによる、本気でトウガラシについて書いた解説の方がずっとマトモに見える。それにしても1997年頃、手書きからワープロに移行しつつ書かれたことを思えば、やはり微妙ながら過去なんですね。2019/04/06
り
17
父親文庫よりレンタル。週刊文春97〜98年の連載をまとめたもの。さすが週刊誌、時代に即したエッセイなのでいい具合に古臭い!仕事の休憩時間にちびちび読んでゆるっとリラックスさせてもらいました。2017/02/24
ジュースの素
9
赤マントシリーズ 97~98年に書かれたもの。米国に住む子供たちの町に初めて行った興奮なども今となっては懐かしい。いろんな意味で当時の日本はゆとりがあったようだ。銀座に繰り出したり文壇バーに行った話も。 手書きからパコパコのワープロ原稿に移った話も楽しかった。2016/06/13
Koji
6
もうかなり前の話なんですね。ワープロと言う言葉自体が懐かしいです。2015/04/28
ゲンゲン
4
082.今から20年くらい前に書かれた新宿赤マントシリーズ。一番印象に残ったのがほんの20年くらい前に椎名さんが初めてワープロを使って原稿を書く話があって時代の経過を感じずにはいられなかった。そこにはフロッピーをわざわざ手渡ししたり、なんとも懐かしい時代が描かれていた。それが今ではアメリカにいて日本のお客様とウェブ会議するような時代になってしまって、これは便利ではなく明らかに不便だと思う。結局ずっと仕事するハメになっているじゃないか。この本の時代のほうがずっと良かったよ。と思いながらの感想でした。2018/11/15