出版社内容情報
明智光秀を破り、天下取りの端緒を握った秀吉。胸に湧く野望の行く手は?寵児の一生を軸に風雲の時代を描く歴史大河の雄編なる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
113
「下天は夢か」の続編。本能寺の変の直後から、秀吉の死迄を描く。豊臣秀吉は天性の明るさが好きです。一番好きなのは信長ですが。1巻では山崎合戦から清洲会議、賤ヶ岳合戦迄を描く。「湧け、才知よ。われに日本国を!」本作は秀吉の計算高さや暗黒面も書いてあり好きです。織田政権乗っ取りの為に清洲会議で信長の嫡孫である、三法師を推す秀吉。周到な根回し。激怒する信長の子、織田信孝。賤ヶ岳の敗戦で柴田勝家と織田信孝は自害する。織田信孝の辞世の句「昔より主をうつみの野間なれば むくいをまてや羽柴筑前」に信孝の無念を感じる。2016/01/01
Kentaro
19
群雄割拠の天正10年、毛利攻めの最中、織田信長の横死の報を受けた秀吉は、その事実を毛利に悟られることなく、毛利氏との和睦を進める。 和睦と言っても清水が腹を切る代わりに毛利氏の滅亡を回避し、領土の半分を毛利氏に残すという、秀吉側に非常に有利な和睦であり、これを成し遂げた黒田官兵衛と秀吉一行は大返しを断行し、明智光秀を討ち、全国平定への端緒を掴んだ。このとき、毛利家は大返し中の秀吉に、信長の氏の知らせが届き、和睦を撤回し、なかば騙し討ちで勝ち取られた首級の奪回と応戦を選ぶ道もあったが、それを選択しなかった。2019/08/04
茶幸才斎
4
本能寺の変後、天下人への階段を駆け上がる豊臣秀吉の生涯を追う本作。織田信長横死の報を受け、備中高松城に対峙する毛利方と即座に和睦、あの電撃的大返しで明智光秀の度肝を抜く。そして山崎の合戦。勝利した秀吉はその威をバックに清洲の宿老会議に臨み、若干2歳の三法師を織田家後継者に据える。ほくそ笑む秀吉。激怒する柴田勝家。両者は賤ヶ岳に激突する。「儂はおのれの運気のつづくかぎり、精根しぼって舞いを舞うてやらあず。どの辺りまでゆきつくか、われながらに分らぬでやがな」(p.68)思えば、私の戦国好きは本書から始まった。2013/02/10
鮎川まどか@AnxAn
3
お国訛りがリアルだけど…さすがに少し読みにくいような。 とにかく秀吉の謀略が冴え渡る一冊。しかし家康が一言もしゃべらないのは不気味である。2011/06/11
巨峰
3
莫大な資料を引用しつつ描かれた秀吉。いわゆる中国道からの大返しから天下栄耀を極めるまでの年代記。