文春文庫
「空気」の研究

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  • サイズ 文庫判/ページ数 237p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167306038
  • NDC分類 361.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

日本人の現代史は「その場の空気」という"怪物"によって形性される。この「空気」及び「通常性」を追求し、実態をつかみ、独自の視点から現状分析する新日本人論

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ehirano1

169
かなり抽象的記述だったので思ったよりも結構難しかったな、という印象でしたが、扱うモノがモノだけにコレは仕方ないなとも思いました。中身は大変興味深いものでかなり考えさせられました。そんな中で、私には「空気」は日本人の特徴の一つである「和」でもあるのではないかと思いました。つまり、「和」の二面性の片面は妖怪扱いされている「空気」であると。2023/12/29

5 よういち

120
このご時世、空気なんか読まなくても良いという話もチラホラ聞こえてくるが、未だに日本人は『空気』に支配されている。いたるところで、何かの最終決定は「人ではなく”空気”」であると言われる。『空気』とは。非常に強固でほぼ絶対的な支配力を持つ「判断の基準」であり、それに抵抗する者は異端として扱われてきた。太平洋戦争でも、確たる根拠もなく、空気によって戦艦大和が出撃を決めている。◆論理的判断と空気的判断の二重判断基準◆物質の背後に何か臨在するという考えを改める◆その場の『空気』は『水』によって現実に戻される。2019/12/08

藤月はな(灯れ松明の火)

88
大学時代に友達にお薦めされた本。「出る杭は打たれる」な日本。そんな日本人が勝手に読んで自ら、縛られる「空気」やその「空気」に風穴を空けるが、相対的なものでしかなくなる時もある「水」という概念を文化面、神道面、天皇制なども絡めて説明しています。イタイイタイ病の原因であるカドミウムの検証、「来魔」=車による自己弁護劇などの例えや「ヨブ記」を引き合いにした西洋の相対性を基本とした絶対的思想は興味深い。しかし、読んでもツルツルと掴みにくい。特に「父と子」についてはちんぷんかんぷん。要再読ですね。2018/01/23

金吾

82
○日本独特といえる空気について、歴史的かつ宗教的観点から詳しく述べています。何故そのようなことになるのかわからない部分もありますが、詳細に書いてある分面白いです。日本人が他国人から理解されにくいことや非論理的解決になり勝ちな点はわかりました。「水」は短に事実を述べているだけという一面や天皇制と進化論のミスマッチの話はすごく納得出来ました。2021/02/09

とくけんちょ

63
その決断の理由は、その場を取り巻く空気のせい。なんてことをよく耳にするが、その空気とはいかなるものかという研究。そして、水の研究。これは、ウォーターではなく、満場一致の空気に水を差すの水。なにぶん、古い本であり、そこここの例示も過去のもので、そして内容は難しいときている。しかし、我慢して通読してもらいたい。必ず得心するところがある。2021/08/27

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