出版社内容情報
一日六回の食事作りに、常に来客が絶えることがなく、20年間に10回の引越の準備をした波乱万状な夫との生活を追想する好エッセイ
内容説明
15歳も年上のデブでハゲで、大の風呂嫌いで、おまけに難病ナルコレプシーの従兄との結婚生活は、1日6回の食事作りに、絶え間のない来客への応対をして、20年間に10回も引っ越しの片付けをする毎日…。天才・鬼才と謳われ、ギャンブラーにして作家であった夫とのいささか風変わりな夫婦生活を愛憎をもって追想したエッセイ。
目次
宿六・色川武大
わが家の「阿佐田哲也と色川武大」―奇病と闘い、博打を愛し幸せに逝った夫との二十年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くみこ
11
一回り以上も年上のいとこ、色川武大と結婚した孝子さんのエッセイです。破天荒な作家には規格外の妻。そんなエビソードに溢れています。中途半端なダメ男は周りを不幸にするけど、徹底したダメ男は多くの人に愛されるってことかしら。2017/01/21
うさこ
7
直木賞受賞作『離婚』のモデルにもなったいとこでもある奥さまが書かれたエッセイ。小説の方は虚実取り混ぜて書かれていたようですが、まるでヒロインの「すみ子」が筆をとったような文章でした。しかし一日六回の食事作り、お風呂に入れてあげる、来客の応対、20年で10回もの度重なる引越し(ダンボール300箱!)、大変だったと思います。ああ、面白かったなあ。2010/11/18
三柴ゆよし
5
幻視・幻聴をともなうナルコレプシーという奇病をわずらい、法外な博打に手を出す、金銭感覚生活IQともにゼロの色川武大という人は、あたかも自分の人生をひとつの虚構として見つめていたかのようである。『離婚』において極度にデフォルメされた夫婦生活は、虚構という孤独の場所に奥さんを引き摺りこむための、一種の方便であったのかもしれない。それにしても夫婦というのはわからない。2010/07/12
ネムル
4
色川武大の伴侶による、珍奇な夫婦エッセイ。ナルコレプシーという難病があるにしても、そのガチクズっぷりが堪能できる。風呂に入ったら疲れてそれだけで365日終わっちまうんだよとうそぶいて、垢まみれの体を洗わせて、ぶーたれる奥さんに「洗わせてあげてるんだから、僕が金をもらいたいくらいだよ」とかクズ発言の嵐、夫婦とはよくわからないもので。一方で、客さんへのサービス精神は旺盛だから、色川武大の浸かったあとの垢まみれの風呂に相手も入りたいと言いだす始末で、やはり不思議なものである。2013/09/29
Rico
3
色川武大をはじめて読むなら、これも一緒に読んだら面白いかも、と薦めてもらって読んだ。「いねむり先生」「百」この本と、本人、妻、友人が描く一人の人物というのがすっごく面白かった。特に家族向けの顔と外向けの顔が違って、しかも作家としても二つの顔を持つという多面性がいろいろな方向から描かれていて、いやあ、壮絶な人生。2016/07/30
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