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文春文庫
だいたいで、いいじゃない。

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  • サイズ 文庫判/ページ数 299p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167289065
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

サブカルチャーが主流となった高度消費社会の諸相を思想界の巨人と俊英がつぶさに検討、細部からゆるやかに全体に至る思想的視座を見据えつつ闘われた三年半の全対話を収録。大ブレイクしたアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』と文芸批評家・江藤淳の自殺を二大テーマに、白熱した論議が繰り広げられる。

目次

第1章 エヴァンゲリオン・アンバウンド―その記号性と身体・倫理(心的葛藤のない“戦争”;第3新東京市の終わらない夏 ほか)
第2章 精神的エイズの世紀―「虚構/現実」を突き抜けるもの(消費社会での“知識”はサブカルチャーとして発現する;永山則夫の閉塞感と陸奥A子のフィクション ほか)
第3章 天皇制の現在と江藤淳の死―「苛立ち」の根源にあるもの(サブカルチャーに擦り寄る純文学;死んでから自殺した森鴎外 ほか)
第4章 オウムと格闘技と糖尿―立ち停まることの意味と場所をめぐって(立っている場所は現象の内か外か;信仰と宗教を代行するもの ほか)
糖尿病の思想―「あとがき」にかえて(大塚英志)

著者等紹介

吉本隆明[ヨシモトタカアキ]
1924年、東京生まれ。東京工業大学卒。52年、詩集『固有時との対話』で注目され、続いて『芸術的抵抗と挫折』『抒情の論理』でラディカルな文芸批評を開始する。60年安保では全学連主流派とともに国会に突入、逮捕された。以降『言語にとって美とはなにか』『共同幻想論』などによって、戦後思想界の巨人と目されている

大塚英志[オオツカエイジ]
1958年、東京生まれ。筑波大学卒。編集者としては批評誌『新現実』を主宰、まんが原作者としてはベストセラー『多重人格探偵サイコ』など。自作のノベライズ作品としては『木島日記』、また評論家としては『「彼女たち」の連合赤軍』などサブカルチャー戦後史を主題とした多数の論考がある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あふもん

10
読みようによってはこの本事態も全否定してるんじゃないの?という解説も含めておもしろい。2012/12/13

greenman

5
本書は1997年から2000年までの中断期間を入れた吉本隆明と大塚英志の対談本だ。基本構成は、吉本隆明に対して大塚英志が自分の考えを聞いてもらうというスタンスになっているように見える。現代サブカルチャーに精通する大塚と、それには疎いが戦後思想を引っ張ってきた吉本は感性が共通している所と違っているところがハッキリしていて、読んでいてその落差について考えてしまう。特にオウム事件、江藤淳、日本文学についてよく語る。本書は90年代とゼロ年代をつなぐ橋にもなっている所が散見するのもおもしろく読めるポイントだと思う。2013/01/15

なつのおすすめあにめ

4
喧嘩っ早いイメージの大塚英志が終始落ち着いているのは、吉本隆明へのリスペクトも当然あるとして、まあタイトルにあるような「だいたいで、いいじゃない。」な空気によるものなのかもしれない。江藤淳もドゥルーズも、吉本のように「だいたいで、いいじゃない。」と言えてたなら自殺しなかったのだろうか。90年代サブ・カルチャー(と地続きの80年代)の総決算的な読み物としても読めるでしょう。→エヴァ・ハルキ ムラカミ・ガンダム・オウム・完全自殺マニュアル・宮台・原発・ビートたけし・小林よしのり・酒鬼薔薇・忌野清志郎・佐川一政2019/07/01

白義

3
タイトル勝ち。内容も濃くて面白いのですがやはりこのタイトルにこの二人、という取り合わせがもう、しっくり来ますね。内容も90年代後期の、エヴァやオウムやら江藤淳自殺などから互いがゆるりと言いたいことを言う感じ。吉本隆明の、無倫理まで包摂する倫理を語りたいとか、あとオウムに関する発言が面白いですね。吉本隆明と言えばオウム事件で名を下げたと言われていますが、読むとなかなかどうしてその麻原論、オウム論が一本調子でなくて面白い。、オウムの見誤りで吉本は失墜したという物言いは、やはり単純なようです2011/07/20

ダイキ

2
吉本隆明、エヴァンゲリオンを語る(笑)。話題の殆どはサブカルチャーの侵蝕した現代の時代相と江藤淳について。例によって問題が天皇となると碌な事になってない。問題が天皇からサブカルに戻った途端にさっきの発言と辻褄の合わない事を平気で口にしている。江藤淳の遺書を「あれは江藤さんの最後の名文で、あれだけ取ってくれば、あれはもう鷗外だと言ってもいいくらいです。はっきりしていて決断力もあって古典性もあって」と吉本が評しているのは、吉本隆明という人はああいうものは絶対認めないと思っていただけに大変驚きました。2018/04/24

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