出版社内容情報
舞台は霧深いヨークシャーの少漁村。妙齢の美女の殺害死体が村の平穏を破る。イギリスの片田舎の雰囲気、人間味豊かなおなじみの登場人物、楽しさが横溢する佳品
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しましまこ
28
ジュリー警部は天使ですか、聖人ですか?前作はアガサ叔母にムカついてイマイチ乗りきれなかったが、今回は置いてきぼりだ。アガサ抜きなら面白い!それにしてもジュリー警部の好人物では足りない善良さ。20年ヤードに勤めてこれですか。とろける笑顔と地下の老婦人や子供への思いやりがたまらんよ。事件はメルローズが招待された准男爵家のいざこざ。天使のように美しい准男爵の息子に嫉妬しちゃうメルローズがお茶目。ウィギンズも単なる病弱キャラじゃなかった、なかなかやりおる。とにかく楽しい、全作ポチだー!2017/10/15
みみずく
20
ジュリー警部シリーズ第二作。 冬の寂しい漁村での殺人事件に駆り出されたジュリーと、その村の名家宅に招待されたメルローズがそれぞれの持ち味を生かして推理し、一つの真実にたどり着く。この、「それぞれの持ち味」というのが今回は強く感じられてこれからのシリーズの先行きが楽しみになった。 ただちょっとジュリーの「寅さん」気質が気になる。それで推理がミスリードされることはないのだけど、いい人っぽいので誰かと幸せになってほしいなあと思わせられる。メルローズもそうだけどこちらは財産とアガサ叔母がいるので大変そう…。2015/01/20
きりぱい
6
シリーズ2作目。貴族の称号を捨てたプラントと警部ジュリーが事件を捜査してゆく流れなのだけど、あれ~?1巻で魅力的だったプラントが何だか少し三枚目扱いになったような。よかったのは、不愉快な叔母レディ・アガサが出しゃばって来なかったのと、少年バーティと飼い犬アーノルド。けなげな子供に弱い。その母親とジュリーとの対面もいい。北海の漁村ラックムアの描写が寒々しくて、化かされた古狐亭で出されるバター・ビアが効きそう。「砂糖にバターに卵」、エッグノックみたいな感じかな?2012/12/05
造理
5
★★☆☆☆ ヨークシャーの寒村で起こった殺人事件。誰が?の前にそもそも被害者が誰なのかという謎が立ちはだかるのが魅力的。事件はシンプルですが巻頭に記載のない登場人物が次から次へと出てきて複雑な人間模様が描かれています。その中でもバーティーとアーノルド(犬)の暖かいコンビが印象的でした。2016/05/24
Kitinotomodati
4
バーティのその後が気になるわあ。お気に入りのウィギンズ部長刑事が地味に活躍。2018/12/17