内容説明
ひかる風。はねる魚。信じるに足る愛犬ガク。カヌーに満ちるウイスキー。これ以上、なにが必要だと言うのか―苦しく辛い極北の地での心あたたかき人々との邂逅。そして別れ。めざせ、カナダの原野からアラスカのベーリング海まで。自由と思索の川旅3000キロ。さあ、征け。ただ独り、征け。
目次
1章 自由の王国へ
2章 荒ぶる自然に
3章 単純生活者
4章 冷雨寒風泥の河
5章 万物が身にしみる
6章 神は疲れていた
7章 夏は巡って
8章 風にあそばれ野に溶ける
9章 旅人だけが知っている
著者等紹介
野田知佑[ノダトモスケ]
1938(昭和13)年、福岡県生まれ。早稲田大学文学部英文科卒。教員、雑誌記者を経てエッセイストに。「川遊びカヌー」を提唱し、国内をはじめ欧米、オーストラリア、ニュージーランド、インドネシアの川を楽しむ一方、環境破壊につながる河川改修、ダム開発をおしすすめる国土交通省の蛮行を一カヌーイストの立場から告発し続けている。82年『日本の川を旅する』で第9回日本ノンフィクション賞新人賞、98年、一連の活動に対して毎日スポーツ人賞文化賞を受賞。著書に『北極海へ』『ユーコン漂流』『さらば、ガク』『カヌー式生活』『旅へ 新・放浪記1』『南へ 新・放浪記2』など多数ある
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感想・レビュー
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taku
26
心地よい時間と余韻を頂きました。メモ。on my own. 自由である旅は、自分の選択と行動によって生じる結果もまた、自分の責任。愛犬ガク「世界中を旅している。経験豊かな犬だ」。ネイティブと白人。ここは根深い感情があるのでしょう。最後の荒野も染める資本主義。失われる言語、姿を変える文化。ビーバーの川。クマの国。旅人だけが知る独り。さしあたり、ぼくの欲しいもの―酒、食物、本―はすべて手許にあり、この日、人生はほぼ完璧であるように思われた。この心境が素敵です。2017/05/27
fseigojp
22
熊の恐怖も、なんのその、すごい川旅である2015/09/18
たーくん
6
再読→→→ひかる風。はねる魚。信じるに足る愛犬ガク。カヌーに満ちるウイスキー。これ以上、なにが必要だと言うのか―苦しく辛い極北の地での心あたたかき人々との邂逅。そして別れ。めざせ、カナダの原野からアラスカのベーリング海まで。自由と思索の川旅3000キロ。さあ、征け。ただ独り、征け。2018/05/11
げんき
3
アラスカの大自然の魅力はもちろん伝わってくるのだけど、それと対照的な先住民の生活が抱える病理の方が妙に印象に残ってしまった。2023/04/26
ぷかり
3
ユーコンにトリップできる本。野田さん、かっこいいです。2014/04/25