文春文庫
目撃者―「近藤紘一全軌跡1971~1986」より

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  • サイズ 文庫判/ページ数 474p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784167269081
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

国際報道記者、大宅賞・中公新人賞受賞者で惜しくも癌で逝った著者の随筆と創作を集め司馬遼太郎の弔辞と沢木耕太郎の解説を付す

内容説明

「サイゴンから来た妻と娘」で大宅ノンフィクション賞、新聞記者としてボーン上田国際記者賞、「仏陀を買う」で中央公論新人賞と幅広い執筆活動を続けてきた著者は46歳でガンに斃れた。死後刊行された記事、ルポ、評論を含めた五部構成の単行本より、エッセイと創作の部と、司馬遼太郎氏の弔辞と沢木耕太郎氏の解説で文庫版とした。

目次

並みはずれた愛―柩の前で(司馬遼太郎)
花は赤くて―エッセイ(言葉ありき;釣りキチ民族;熱帯に赴任し、酷寒と闘うこと;タイ式問題解決法;インドシナ報道の10年;「南方」という意識;サイゴンのスズメとテヘランのスズメ;ノンフィクションとフィクションの間;サイゴン陥落の原体験;世界の動物園 ほか)
噂によれば―創作(夏の海;噂によれば;仏陀を買う)
彼の視線(沢木耕太郎)
年譜

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

武井 康則

13
ベトナム戦争でサイゴン陥落に立ち会い「サイゴンから来た妻と娘」を書いた海外特派員の、気軽なエッセーと創作を集めたもの。ベトナム人の妻について、海外の動物園について、報道で厳しいものを書くからか、エッセーはユーモラスなもの。遠藤周作や北杜夫のエッセーがブームだったのか、雑誌に載っている分には面白いだろうが、そればかり集められても、中身がない。創作は、前妻との出会い話は習作で、他ニュージャーナリズム的な未発表物。「仏陀を買う」は中公新人賞。2023/06/27

ホレイシア

3
つくづく惜しい方でしたね。2008/01/01

コウ

3
私が近藤紘一さんを知ったのは、この本でした。氏が病に倒れ、45歳という若さで亡くなられた後のことです。そのことがとても悔しいですね。おそらく近藤さんは小説家に転身されようと考えていたのではないでしょうか? ちなみに習作(『仏陀を買う』という素晴らしい作品を敢えてこう呼びます)に近い作品はこの本の中に収められています。それ以上のライフワークと呼べる作品を書けたはずなんです。オブセッションに決着をつけられたはずなんです。その書かれたはずの作品を読んでみたかった! だからこそ、残念です。★★★★★2008/06/22

Yasutaka Nishimoto

2
沢木孝太朗の編集で、著者の死後まとめられたもの。単行本よりいくらか減らされてはいるが、この文庫も十分な読み応え。タイでのクーデターでは政府高官に迫り、前妻との日々をつづった文章では非常に暖かい日々が描かれ、再婚に至る過程が描かれた創作ではサイゴンでの様子が克明に、そして動物園を巡る文章はユーモラスに描かれている。盛り沢山であるが、著者の文章に新しく触れることができないのは残念である。2018/06/22

hiratax

2
旅の携行本。ベトナム人妻と結婚したジャーナリストの軌跡を記した本。生前の面識はない沢木耕太郎の編集による。エッセイ、論考、小説などが詰まっている。ラオスのビエンチャンで読み始め、メコン河を望むタイ最北の街、ノンカーイで読みつづけ、バンコク行きの寝台列車に揺られ読んだ。ミネラルウォーターを買い忘れ、洗面台の水を飲んだが、悪いようにはならなかった。武田百合子も海外で生水を飲んでいたかと。彼は多くの著作を遺しているが、夫人が浪費家だったとも。サイゴンエッセイはゆっくり読んでゆく。2014/03/29

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