文春文庫<br> サイゴンから来た妻と娘

電子版価格
¥550
  • 電書あり

文春文庫
サイゴンから来た妻と娘

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 267p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167269012
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

戦火のサイゴンで子連れのベトナム女性と結婚した新聞記者が東京へ帰って来た。家庭内で巻き起こる小事件を通してアジア人同士のカルチャーギャップを軽妙に描く。第10回大宅賞受賞作品

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

381
ヴェトナムの歴史はある程度は知っている。また、ヴェトナムが置かれた地理的、社会学的な位置づけも諒解しているつもりだ。しかし、それではヴェトナム人を知っているかといわれれば、パーティで話したことがある程度でしかないのが現状だ。そんな私にとって、本書は大いに刺激的かつ啓発的であった。かつての南ヴェトナム政府の高官たちの恐妻家ぶりも興味深いが、なんといってもサイゴンからやってきた著者の妻の行動と心情の熱さとひたむきさには圧倒される。みんながこうだとは思わないが、こんな女性を妻に持てば、人生が豊かになりそうだ。2017/11/25

遥かなる想い

204
第10回(1979年)大宅壮一ノンフィクション賞。 1971年から1975年まで、新聞記者として 今は消滅した国 南ベトナムに駐在した 著者の 妻と娘の物語である。 灼熱と銃声の国サイゴンから、平和とスモッグの街 東京へ..ベトナムと日本の文化の違いが 伝わって来て面白い。断片的に散りばめられる ベトナムの過酷な歴史とは対照的に 図太い妻と娘は生きていく、そんな印象の本だった。 2017/07/01

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

53
アンソロジー『もの食う話』のウサギを可愛がり屠る奥さんの話に惹かれて。ベトナム人の奥さんとの出会い、サイゴン陥落時の様子、日本への脱出、奥さんの連れ子娘ミーユンちゃんに対する奥さんのベトナム式しつけなど。奥さんのたくましさ、強さ、大らかさと、著者近藤さんの優しさ、愛情深さが素敵です。バンコクやパリの続編もあるとのことで是非読んでみたい。2016/05/29

こばまり

49
アンソロジー「もの食う話」に収録された氏のエッセイに興味を持って。戦地特派員としての冷静なレポートもさることながら、本書の魅力は大輪の花のようなナウ夫人の、規格外の存在に尽きる。異文化ギャップにおけるドタバタ喜劇のような日々が微笑ましい。加えてそれがもう存在しない、余り長くは続かなかった家族の物語であることが私を一層メランコリックにさせる。2016/03/22

seacalf

44
古い本だが自分にとっては新鮮な情報がバンバン入ってくる。唖然とさせるほど超プラグマティックで家族への情も深い生粋のベトナム人奥様の活躍の様子がたまらなく面白く、上っ面の知識しか持ち合わせてなかったベトナムについて飽きさせずぐんぐんとのめり込ませる。記者特有の鋭く、時にユーモラスな筆が、越南への偏見の曇りを取り除き、魅力溢れる民族性や途方もない自然の富に恵まれた国所以の諸々の諸事情を次々にあらわにしてくれる。ベトナムと日本との自然観、生命観の好ましいギャップは、温室育ちである現代人には大いに刺激になる。2018/01/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/495017
  • ご注意事項