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文春文庫
ファザーファッカー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 206p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167267049
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

十五歳のとき、私は娼婦だった。売春宿のおかみさんは私の実の母であり、ただ一人のお客は彼女の情夫で、私の育ての父だった……

内容説明

私は、よく娼婦の顔をしているといわれる。さまざまな仕事を経験したが、それだけは絶対にしなかったのに。ところが私は思い出した。十五歳のとき、私は娼婦だったのだ。売春宿のおかみは私の実母で、ただ一人の客は私の育ての父だった…。多感な少女の自由を求めての旅立ちを描いて圧倒的話題となったベストセラー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

270
読メレビューより。内田春菊さんが16才で家出を決意するまでの自伝的小説。小説としては読みやすいし読ませる!しかし、クソ親どものテメェのことしか考えねぇ振る舞いにむかっ腹を通り越して現場に飛んでってボロクソになるまでぶん殴りたくなった!私がこの世で最も忌み嫌い極刑を望むのが『子供虐待』『性的犯罪』『飲酒運転』!どれも己の欲望むき出しで、犠牲になるのは弱き立場の者ばかり。かような経験しながら立派に生き抜く著者には賛美と尊敬しかないが、クズ野郎どもに鉄槌下せる世にしませんか?(怒りで言葉汚くスミマセン‼️🙇)2019/03/10

『よ♪』

54
最初に書いておこう。きっと読み手を選ぶ。きっと読み終えられないかたもいるのだろう。名前こそ変えて書かれているがほぼ実話であるらしい。でも貴重な記録。でも貴重な資料。性的虐待、こういった事象が被害者自身の言葉で、教養のあるかたの表現でわかりやすく伝えられることは、こと日本に於いては世間体、羞恥、そういった心情から稀だ。明らかに壮絶な体験である筈だが春菊さんの文章はサラッと乾いている。淡々と囁かれている。妙に洒落ている。不謹慎ながら、まるで高層ビルの夜景に映えるカクテル──。不思議な魅力。うっかり魅了される。2022/01/02

James Hayashi

46
仰天の内容で今年上半期のベスト3に入る作品。主人公の名は異なるが私小説のようだ。漫画家であり女優もこなすマルチな女性。ドメスティックバイオレンスやレイプなどアメリカでは当たり前の様にあるが、日本にも虐げられている人間がいることを記されている。養父はもちろん犯罪者に相当するが、実母も見て見ぬ振り。これは許されない。ネグレクトであり愛情を微塵も感じない。過去の日本は男権社会であり当たり前であったかもしれない。しかし今の世の中では許容できない。これ程の苦難を受けながら、生き抜いた著者に敬意を表しねぎらいたい。2019/03/06

風眠

46
新刊で出た時に読んで衝撃を受けた。ただただ衝撃だった。こんなことがあるのかと信じられなかった。それから十何年が過ぎて久しぶりに手にとって読んでみたら、若い時には分からなかったことが、自分の中で腑に落ちた感じがした。実母と義父はもちろん最悪だけれど、そういう人間に成り下がってしまった理由もなんとなく想像がついたりして、感情や環境は複雑で、自分をごまかして、取り繕って、守ろうとして、正しいと信じて生きていく。それが歪んだ間違った事でも、彼らの中では正しい日常なのだ。内田さん、今もきっと苦しんでいるんだろうな。2014/06/07

たぬ

43
☆4 大いにメンタル削られました。よくぞここまでってくらいに何もかもが有害な養父。少なくとも殺人未遂罪と暴行罪と強姦罪は即適用だよね。母はがっつり養父寄り、妹もどちらかというとそうで家族には誰も味方がいない。彼氏にも医者にも妊娠したことを告白できず半年経過。高1での家出は遅すぎるくらいだわ。静子のこれからに幸あれ!2023/08/31

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