文春文庫<br> 沈黙の王

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文春文庫
沈黙の王

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167259068
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

黙せる王は、ながい沈黙のすえ万全不変のことばを得る──"文字"である。中国古代、初めて文字を創造した高宗武丁をえがく名品!

内容説明

黙せる王は、苦難のすえ万世不変の言葉、すなわち文字を得る―古代中国で初めて文字を創造した商(殷)の高宗武丁を描く表題作。夏王朝初期、天下覇業の男達の権謀術数を記す「地中の火」。周王朝の興亡をたどる「妖異期」「豊饒の門」など。美姫の姿も艶めかしい壮大なロマン。乱世、人はいかに生きるかを問う。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

69
中国で初めて文字を作り出した商(殷)の高祖武丁を描く表題作を含んだ 短編集。「漢字」というものに拘りを持つ著者らしく、意気込みを感じるが、私には古代中国史はあまりあわないようだ。それにしても、ほとんど 資料もなにもない時代を文字から想像を膨らませて物語を紡ぎだすとは・2010/06/12

レアル

67
短編集だったか!でも私の中国歴史知識レベルでは短編の方がちょうど良かったかもしれない。この著者の短編は初めてだったがとても読みやすく、淡々としているがすんなりと文章が入ってくる。こちら中国古代のお話5編。読んでいて著者の登場人物への思い入れが強いのか、こちらの登場人物から生き方の神髄みたいなものを教わったような気もする。この著者の他の作品も読んでみたくなる。2016/04/15

Book & Travel

54
古代中国の三代~春秋辺り、紀元前2000年頃!~500年頃が舞台の短編集。短編といっても、それぞれ壮大な一代記のような物語で読み応えがあり、短編という感じがしない。時代背景の知識に疎いためか最初は少し入り込みにくかったが、宮城谷氏の丁寧で清々しい文体に徐々に古代中国の世界に引き込まれていった。特に最後の「鳳凰の冠」が良く、主役の叔向はじめ伯華、祁奚と器量ある人物が魅力的。「妖異記」の鄭友、伯陽もそうだが、宮城谷氏はこういう名君・名臣の話を嫌味なく書くのがうまいと思う。文字をつくった商の武丁「沈黙の王」は~2017/03/14

キジネコ

46
「涅(でっ)すれども 緇(くろ)まず」孔子さんの残した言葉にあって「染めても染めても黒ずまないものが真に白いものである」という意。この本の5篇めの物語「鳳凰の冠」のサブキャラ祁奚(きけい)の精神の真正を評す言葉として使われます。正しいと信じるものの為に命をも惜しまない、という生き方を体現する人物が作家の物語には多く登場し、「人が美しく生きる」という難解な命題を私に突きつけます。そもそも人とは何だ。処世に求める美とは どの様な姿をしているのか。そして生から死までの間は、果たして現なのか、一話の幻なのか?2015/08/03

紫陽花

40
古代中国の物語です。「沈黙の王」「地中の火」「妖異記」「豊饒の門」「鳳凰の冠」といった短編集で構成されています。私は中国歴史関係の本はよく読みますが、ほとんど知らない話ばかりでした。今や当たり前の弓や舟についても、持っている者と持っていない者ではえらい差ですね。勉強になりました。鄭公、叔向の行き方、なかなかできないです。ただ、こうありたいとは思います。2022/01/27

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