文春文庫<br> 王家の風日

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文春文庫
王家の風日

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  • サイズ 文庫判/ページ数 486p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167259044
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

商の紂王に仕える箕子は、王朝存続に心を砕くが、周の太公望が遂に商討伐の軍をおこした。古代中国商王朝の滅亡を描く一大叙事詩

内容説明

六百年に及ぶ栄華を誇る古代中国商(殷)王朝の宰相箕子は、新興国周の勢力に押されて危殆に瀕した王朝を救うため死力を尽す。希代の名政治家箕子の思想を縦糸に、殷の紂王、周の文王、妲己、太公望など史上名高い暴君、名君、妖婦、名臣の実像を横糸にして、古代中国王朝の興亡を鮮かに甦らせた長篇歴史ロマン。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

74
著者の「太公望」とはまるっきり異なった視点から書かれています。宮城谷さんも結構面白いことをするなあと感じています。同一作者でするのはおもしろいと思います。「樅の木は残った」の中国古代版。商の宰相の視点からの物語で、紂王がそれほど悪い人物ではなく、頭が切れすぎたがために、当時の時代には向いていなかった。今までの一般的な大衆の見方とは異なった見方で、私はこのような物語は好きです。2015/07/07

Book & Travel

44
先日、中国殷代の青銅器の展示を見る機会があってその存在感に圧倒され、同時代の本を読みたくなった。本書では紀元前17世紀から600年続いた商(殷)王朝の最後の王となった受王と、その叔父の名宰相・箕子を中心に、商の滅亡が描かれる。滅びゆく商の側、攻める周の側とも様々な人物に焦点があたる群像劇にもなっている。漢字や中国古代史への膨大な知識が下地になっているのがわかるため、淡々と抑えた筆致ながらも物語に重厚さが感じられ、壮大な歴史物語を堪能できた心地よさが読後に残る。作中で暗躍する『太公望』も読んでみたい。2017/05/17

キジネコ

41
紀元から数えて千年も前、既に王国には文字による豊穣な文化が存在し 貨幣による流通のシステムが機能しようとしていました。その国の名は殷、または商。時代の神の配剤が導く廃頽の道を辿り600年の天命を終える物語。信仰による社会支配が人を価値の中心に据えた構造へと変化する過渡、回天の導引役の個性が 各々の風を纏って役割を果たす。誠忠の干子、賢哲の箕子、王国を支える二本の巨柱が相次いで姿を消し、商都に暗躍する羌望(後に大公の尊称で敬慕される男)の諜報網に蹂躙される。抑制の利いた文章が滅びの哀しみを際立たせます。2014/06/17

sakap1173

36
商周革命については、以前にも宮城谷先生の「太公望」という作品で読ませてもらったが、本作は商(殷)王朝の宰相、箕子を中心としたストーリー。 宮城谷先生のデビュー作だそうで、当初はわずか500部(!)の発行だったとか。もちろん内容は実に面白く、さすがだなーという感想です。 さて、次は何を読もうか。 宮城谷先生の作品は随分といろいろ読んだが、長編の「呉越春秋 湖底の城」と「三国志」も面白そうですね。2021/03/19

著者の生き様を学ぶ庵さん

26
商王朝最後の王たる紂王(受)の名は悪名高き暴君として聞こゆれど、その父なる帝乙、帝乙の舎弟なる箕子、さらに箕子の異母弟とて生まれし干子について、また、箕子・干子が如何にして商王朝を救わんとしたかについては、吾の如き浅学の徒は露知らず、本日初めて学び候。本書にちょい役で出没する太公望・妲己はまた別の作品にて逢はむとぞおもふ。名臣から学ぶこと甚だ多く、宮城谷昌光先生に多謝。されど、商周革命または殷周革命と呼ばれるこの政変を、滅びゆく商の視座、特に箕子の視点から書きつる稀代の名著が自費出版とは、これ如何に?2015/07/25

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