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文春文庫
上海ベイビー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 392p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167218744
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0197

内容説明

ココは25歳の大卒。ウエートレスのかたわら小説を書いている。同棲中の恋人とのセックスはうまくいかず、自分の生き方を自問自答しつつ上海の夜を彷徨う。あるパーティで出会った妻子あるドイツ人と結ばれ、激しく満たされるが―。大胆な性描写で注目され、中国で大ベストセラーになるも、当局に発禁処分を受けた話題作。

著者等紹介

衛慧[ウェイホェイ]
1973年中国浙江省寧波生まれ。8歳から11歳までは寺院で育ち、知り合った僧侶から「輪廻転生」を学ぶ。90年に上海の名門・復旦大学中国文学部に入学。軍事訓練で江西省南昌に行くが、前年に天安門事件があったため、1年間という異例の長さだった。大学に戻り演劇活動を始めた。95年に卒業、新聞社や雑誌社に就職するが、すぐに辞め、テレビの司会、外資系広告会社のコピーライター、ウエイトレスなどの職を転々としながら作家活動に。95年に小説「夢無痕」を発表。98年「蝴蝶的尖叫」で注目される。現在、上海在住

桑島道夫[クワジマミチオ]
1967年大分県生まれ。広島大学文学部卒。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。’94~96年中国政府給費留学生として、上海・華東師範大学に留学。現在、静岡大学人文学部専任講師。共訳に「現代中国短編集」(’98年)がある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

64
書かれた当時の日本はバブルの頃。同時期の中国、特に上海はこのようだったのか。シャネルやデュラスは日本でもブームだったが、それに耽るには景気が良すぎた。西洋的なムードが漂い、部分的に高揚してきていた上海ではこんな小説が生まれる土壌があったのだろう。80年代によく読まれた日本女性作家の話は無理に退廃まみれで、すれっ枯らしな感じがあざとく見えたが、ここではそれが自然に出ている。その分、余計に痛々しい。性的に不能は青年はそれだけで無垢な存在となり、そんなものを抱えてしまった女の子は自分を責めるしかない。2014/06/02

HIRO1970

63
⭐️⭐️⭐️衛慧さんの翻訳本。01年の作品で懐かしい固有名詞がたくさん出てきました。車だけでも既に時代を感じさせます。サンタナ2000、ビューイック等々。上海の当時の白襟族の日常を感じさせる頽廃的なドロドロした部分とアジア人が書いているのに洋書と洋楽の固有名詞がやたら沢山出てくる感じは、村上龍や村上春樹の若い時の作品を彷彿させる様な都会的な刹那的な洗練を感じさせました。原書は発禁だとの事ですが、手に取れたら今度は挑戦してみたいです。翻訳本は久々だったので読むのに普段の3倍は時間が要りました。2015/07/11

James Hayashi

35
セックスのできない天天。天天の彼女であるがドイツ人の愛人を持つココ。心では愛し合っているが、ココは満足できず知り合ったドイツ人と肉欲を楽しむ。中国では発禁処分され、帯にはポルノか新人類文学か?との文字が踊り読み始めたが悪くはない。香港では私小説と言われているそうだが、中国でもここまで大らかに性を満喫する姿に驚かされた。原書は上海宝貝。宝貝(ベイビー)はかわい子ちゃんを呼ぶ呼称。翻訳もこなれていて読みやすい。表紙の写真に写るのは、他の写真と見比べて著者と類推する自分。2017/05/20

ミカママ

14
読むのに1週間近くかかってしまった。なんだろう、中国版、女性版、限りなく透明に近いブルーって感じ?w たまたま手にとってはみたものの、この作家さんの作品を再度読んでみたい、というまでには至りませんでした。まぁ、これが中国で書かれた、ということにだけ意味があるような。2013/02/03

haruka

13
2001年。麻薬、お酒、セックス。自己陶酔気味な若者や、退廃的な上海を語る文章、とても美しい小説だと思う。享楽的な生き方をするココを通して、上海の景色や匂いまで味わえる、忘れられない小説。10代で読んだ私は、ココの孤独や身勝手さにとても共感できた。人生についてとても大袈裟に考えていたから。ココは、誰もが若い頃につかまるあの感情の中でずっと生きているのだ。欧米人の愛人になるのがステータスだという中国の若い女の子、資生堂や木村拓哉が人気…など、当時の上海が伺えるのも面白い。2018/08/04

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