文春文庫<br> ビッグ・ノーウェア〈上〉

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文春文庫
ビッグ・ノーウェア〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 387p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167218508
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

赤狩りの不安が覆うLAを徘徊する殺人鬼。それぞれの妄執をその捜査に賭ける男たちは、錯綜した迷宮の果てに暗澹たる真実を見る

内容説明

1950年、正月―共産主義の脅威に怯えるLA。異常殺人を追う若き保安官補アップショー、アカ狩りで名声を狙う警部補コンシディーン、暗黒街の始末屋ミークス。策謀と欲望の迷宮で翻弄される三人の男たちは、暗い道の果てに何を見るのか?傑作「LAコンフィデンシャル」前夜を描く「暗黒のLA四部作」その二、待望の文庫化。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

262
初読の時は、上巻だけではかなり地味に感じたものだが、最後まで読むとエルロイ全作品の中でも屈指の名作に変化する。前半はダニーのパートがやや退屈。一見、エルロイ流タフガイキャラに属する人物造形なのに、暴力を撒き散らすこともなく、色々な人に会いに行って質問するだけの流れがしばらく続くのが原因。コンシディーンとバズのパートは面白いのに、ダニーに切り替わるとクールダウンしてしまう。ただ、この助走があっての下巻の爆発的な面白さなので、二回三回と読むと、むしろダニーパートが気になってしまう。しかしまぁ、登場人物が多い。2023/08/02

まふ

102
ロスで起こった猟奇殺人事件とハリウッドにおける共産主義撲滅運動とが絡んで捜査員が右往左往する。登場人物が多数おり、後半になってようやく何が問題かが分かって来る。縄張り争いを続ける捜査機関は州(地方検事局)、郡(保安官事務所)、市(市警=LAPD)と三つもあり、すっきりせずメンドークサイ、と思っていたら若手ダ二―・アップショウの下ベテランのワンチームとなって形だけはようやくすっきりした模様。とにかく長い導入篇を抜け出て半分クタビレテ下巻へ。G1000。2023/08/03

ケイ

99
ブラックダリアでは、イヤなヤツだったわずかな登場人物が残り、魅力的な登場人物は退場しているのが少しさみしい。しかし、今回の主人公たちもなかなか一筋縄ではいかないつわもの揃いだ。最初はバラバラだった3人が顔を合わせたところで前半は終わったが、これで事件の真相は見えてくるのだろうか。この頃は、ドメスティックバイオレンスなんて言い方がなかったからだろうか、作者は女性への暴力を描くのも躊躇しないが、うまく暴力をふるう男の方をあわれにみせている。2015/08/10

セウテス

90
暗黒のLAシリーズ第2弾〔再読〕上巻。1950年、共産主義者狩りいわゆる赤狩りが吹き荒れるハリウッドを舞台に、あまりにも異常な猟奇殺人が幕を開ける。過去のトラウマから、犯人探しにのめり込んで行く保安官補アップショー。愛する息子の親権を妻から勝ち取る為に、赤狩りを出世の足掛かりとしようとする検事局のコンシディーン。前作に登場した悪徳警官で、今は警察を辞め裏社会と繋がり金を得ようするバズ・ミークス。上巻は3人がそれぞれの立場から、顔を合わせる所まで。犯罪を通し人間を描く物語、ある意味病んだ心の物語だが苦手だ。2019/04/20

扉のこちら側

87
2016年318冊め。【169-1/G1000】エルロイファンの読友さんの勧め通り、LA4部作を2作めのこちらから読み始める。大戦後、50年代のアメリカと言ったら日本からすると輝かしいものの象徴だったと思うが、実際はこういうダークサイドは現在よりも暗い深さがあったんだろう。考えてみれば公民権運動前。三人が顔を合わせたところで下巻へ。2016/05/08

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