文春文庫<br> ブリージング・レッスン

文春文庫
ブリージング・レッスン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 458p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167218478
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

結婚二十八年の夫婦が友人の葬式のため、車で出かけていったが…。人物描写と温かなユーモアに定評ある著者の代表作、待望の文庫化

内容説明

周りの人の幸せを願うあまり、ついお節介をやいては話をややこしくしてしまうマギー。結婚28年目を迎える夫アイラと、ある日友人の葬式のため車で出かけていく。普通の人々のなんでもない日常を描いているのに、読みはじめるとわくわく、しみじみおかしくて少しほろ苦い珠玉の一作。ピュリツァー賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

289
1989年ピューリッツアー賞受賞作。ボルティモアに住むアイラ(50歳)とマギー(48歳)夫妻が、ある日(二人に共通の友人の葬儀の日)ペンシルベニア州の田舎町に出かけた一日(回想をふんだんに含む)の、ある意味ではきわめて日常的な光景を淡々と描いた小説。葬儀の式場で彼らは高校の同窓生たちと集い、それぞれに齢をとったことを知るなど、小説は徹頭徹尾、彼ら中年男女の失われた日々を描いてゆく。彼らの息子ジェシー、娘のデイジー、そして孫のルロイ。これはアメリカの理想の家族像でもあり、その崩壊の予兆でもあるのだろう。2016/03/21

ミカママ

245
【原書】彼女の作品は『歳月のはしご』についで2作目。アラフィフの夫婦が、友人のお葬式に参列するため、1時間ほどもかけて州外へロードトリップをすることに始まる。そこで諦めかけていた、息子の別れた嫁と孫娘を連れ帰ることに成功し・・・。感動的な!できすぎな!と思うでしょ?そこはタイラー女史なんだな。アメリカにおける「家族」に対する皮肉な見方を捨てていない。中高年の夫婦にだって、ときめいてた時代はあったわけだし、認めたくはないが、ダメな息子はダメ。それでも人生は続いていくのだ。余韻の残る、すばらしい作品だった。2017/08/25

ヘラジカ

15
序盤はマギーの行動や性格にイライラさせられはしたが、コミカルな展開を喜劇として単純に楽しむことが出来た。しかし物語(旅)の終着点が見え始める頃には、じわじわと焦燥感が滲みはじめ『アクシデンタル・ツーリスト』終盤の「どうなるのだろう?」というハラハラ感も再び味わうことになった。そして不安の的中してしまう結末。最後の一文を読み終えた途端、これまでの騒々しいコメディとは真逆の、切なさと空虚感の混じりあった苦さを噛み締めていた。2017/02/17

きのこ

12
ガーディアン必読62/1000 マギーみたいな相方はあり得ないね。アイラに激しく同情。読後感非常に悪し。2018/05/30

himehikage

11
映画「偶然の旅行者」は面白かった記憶があるし、ピュリッツァー賞受賞作というのにも惹かれて積んでおいたのをようやく読む。子供が2人とも自立してしまい心にぽっかり穴があいてしまった中年女性の話という、ふだんミステリばかり読んでいる者にとってはほとんど何もないに等しいストーリーながら、どこにでもある中流家庭の夫婦を描いて、歴史の記録のようになっている印象は面白いなと思った。2019/08/27

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