内容説明
農夫、不動産屋、神父、柔道指導者…。様々な生業を通じて、日本以外のアジアに生きることを選択した、いわば「アジア定住」の日本人たち。彼らの目を通して見るアジアは、圧倒的に面白い。そこには、既成の価値観や情報ではわからない日本人の新しい生き方のヒントが詰まっている。
目次
1 アジア世界にようこそ(中国の大地を花で埋めよ(中国)
サイゴンの部屋貸します(ベトナム)
アジアで一番幸せな国(フィリピン))
2 アジア危機の中で(韓国大百貨店、本日開店(韓国)
バンコク食べ放題物語(タイ)
経済危機から遠く離れた島にて(インドネシア))
3 アジア新世界へ(日本人僧侶の“タイ焼き・タコ焼き作戦”(カンボジア)
マレーシアが“電脳都市”を夢見るとき(マレーシア)
黒帯先生、インドをゆく(インド))
著者等紹介
野村進[ノムラススム]
ノンフィクションライター。1956年東京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科中退。78~80年、フィリピン、マニラに留学。アジア・太平洋地域、医療、人物論などを中心に取材・執筆活動を展開。97年、『コリアン世界の旅』(講談社)で、第28回大宅壮一ノンフィクション賞と第19回講談社ノンフィクション賞をダブル受賞。99年、本作品で第11回アジア太平洋賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
329
タイトルこそ「新しい」だが、23年も前に出版されたもの。ただし、内容的には全く古びない。本書はアジアの各地に定住した日本人9人をとりあげたルポルタージュ。いやあ、皆さんそれぞれに素晴らしい。この人たちは、結局のところ日本という狭い枠組みには収まりきらなかったスケールの大きさを持っている。例えば中国の花卉ビジネスの先端を行く人、タイで何件もの外食チェーンを経営する人、はたまたフィリピンでカトリックの神父として活躍する人、あるいはカンボジアの僧侶になった人、インドの柔道師範。皆さんほんとうにあらためて凄い!2022/08/04
ゆいまある
79
新しいとは言っても、既に20年以上前の話。アジアの各地に根を下ろし豪胆に生きてるカリスマ日本人数人への密着取材なので、時代を感じさせない面白さ。取材対象が全員男性なのは、野村さんの超密着取材の性質上、異性だとやりにくかっただけかなとも思う。アジアと一言で言っても国によって随分文化は違う。フィリピンの助け合いの精神は羨ましいし、カンボジアでは人付き合いが難しそうだ。文化大革命は老人を大切にするという儒教の教えも破壊した。恐ろしや。2022/10/15
よしだ まさし
3
野村進『アジア 新しい物語』文春文庫を読了。 アジアに進出してさまざまか活動をおこなっている日本人に密着取材したノンフィクション。 オリジナルは1999年の発行。『アジア 新しい物語』というタイトルなのだけれど、ぜんぜん新しい物語ではない。だけど、いまでも充分に面白いし、内容が古びているという感じはしない。2016/03/11
タヌキバヤシ
2
アジアで頑張る人々の話。ノンフィクション。おすすめ2008/08/08