文春文庫
エンガッツィオ司令塔

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  • サイズ 文庫判/ページ数 292p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167181123
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

恋人に指輪を買うために新薬人体実験の掛け持ちをした「おれ」。幻聴、妄想、電波、異常性欲と副作用はエスカレート。ついには大食、変態の化物となって恋人の家に乗り込んだ。さあ修羅場の始まりだ―。表題作をはじめ、エログロ、スカトロから抱腹絶倒のパロディまで全十篇。断筆解除後初の超過激傑作短篇集。

著者等紹介

筒井康隆[ツツイヤスタカ]
1934年9月24日大阪府生れ。57年同志社大学文学部卒業。60年SF同人誌「NULL」を発行、処女作「お助け」が江戸川乱歩に認められデビュー。徹底したおふざけやパロディ、ナンセンスによる異化効果で人気に。81年「虚人たち」で泉鏡花文学賞、87年「夢の木坂分岐点」で谷崎潤一郎賞、2000年「私のグランパ」で読売文学賞など多くの文学賞を受賞。93年教科書に採用された作品が抗議を受けたことをきっかけに断筆宣言、96年から執筆再開。「筒井康隆全集」(全24巻)がある。また学生時代から演劇に関わり、「ジーザス・クライスト・トリックスター」「スタア」などを自作自演。97年には俳優として本格デビュー、映画「大いなる助走」舞台「かもめ」「近代能楽集」「冬の運動会」などに出演
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

501

18
断筆後初の短編集とのことで、老齢の域なのに、というかだからなのか、最初2編のえげつないエログロの突き抜け方に熟達したものを感じる、と同時に若々しさに驚く。明け透けな爽快感ある作品が主ななかしっとりとシニカルな′夢′のような作品がありバラエティーに富んでいる。七福神はよくわからんかった。2017/07/06

hit4papa

9
三年三ヶ月におよぶ断筆を解除した直後の作品集です。著者の若い頃の猛毒性のある短編はさすがに見られないのですが、ニヤリとさせられる危うい感じは健在です。なんと言っても、何故断筆に至ったかが著者の言葉で語られる『附・断筆解除宣言』が興味深いですね。著者らしい反骨精神にあらわれだったのだなと納得した次第です。

hirayama46

8
断筆解除後、最初の短編集。溜め込んできたものを爆発させるかのような勢い重視の短編が多く、完成度を重視する方は別の本から読んだほうがいいかも。やりすぎな駄洒落や下品なネタ、それに追われるものを描いたホラー風味やセンチメンタルな心理小説など、色々な要素がごった煮で、楽しい一冊ではありました。ただ、七福神ものはよくわからないというか、あまりピンとこなかったかな……。2018/07/28

やまねっと

7
作家というのはこういうものも書かないといけないのか。だったら私は作家にはなれないなと思った。エンガッツィオは正にエンガチョのことである。タイトル作がえげつなく面白かった。と共に苦しい読者体験でもあった。 他にも七福神をテーマにした短編が3つ入っている。これもぶっ飛んでいて面白かった。 この本は断筆解除後の初の単行本だ。筒井康隆に書いてもらうには、まず、この覚書を取り交わさないといけない。それも載ってるが、今となればそんなに厳しい内容でもなく感じる。このころのインタビューも貴重に思える。心躍る本だ。2023/05/12

寝落ち6段

6
断筆宣言後、初の作品集。断筆宣言時、私なぞ十に満たぬ洟垂れ糞餓鬼であって、そんな騒動どころか、筒井康隆なる作家も全く知らないものであった。当時の心境や状況を語るところを見ると、昨今厳しくなる自主規制で自縄自縛となる世の中を憂いでいたような感じにも思える。そして、解禁となる当作品集はどんでもなくお下劣で、無節操で、バカらしい。しかし、人間の本質にぐいぐいと迫っていくこの特急感がなんとも鋭利で、笑えてくる。エンガチョ。2015/02/01

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