内容説明
伊丹の新酒を積んで江戸に向かったはずの新酒番船が消息を絶った。その船頭の息子と知り合った「かわせみ」の面々が心配するなか、父親の船頭が生還したとの知らせが。安心したのもつかの間、船頭は、再び海に挑む…。表題作ほか、全七篇を収録。美しい江戸の四季を背景に、人間模様を情緒豊かに描き出す不朽の人気シリーズ。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
昭和7(1932)年、代々木八幡神社の一人娘として生れる。30年日本女子大国文科卒業後、小説家を志し戸川幸夫に師事。ついで長谷川伸主宰の新鷹会へ入会。34年7月「鏨師」で第41回直木賞を受賞。平成3年「花影の花」で第25回吉川英治文学賞受賞。平成10年、第46回菊池寛賞を受賞。テレビドラマ、芝居の脚本も数多い
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
46
美しい江戸の季節の移ろいを感じました。情緒豊かで物語に酔います。若干ご都合主義な気もしますが、じんわりと心にしみる物語でした。2023/02/02
はるる
9
帆船好きの私は表題作でテンション上がった。帆船は美しい!「メキシコ銀貨」で子供達が軍艦に見惚れてるのもほのぼの。源さんが損傷酷い遺体を源太郎には見せるって父親らしいこと言ってて素敵。源太郎と麻太郎を見てると、東吾と源さんはいつからお互いをそう呼び始めたのかとか、源さんはいつから敬語なのかとか細かいことが気になるw2018/04/15
椿
9
再読。御宿かわせみシリーズ第29作。表題作が一番好き。読後感もよくて穏やかな気持ちに。「辰巳屋おしゅん」では反対に、暗くどんよりとしてしまった。「メキシコ銀貨」では麻太郎・源太郎の二人が仲良く、すくすくと成長していて微笑ましかったよ。2015/07/13
gosuken
9
表題作が好き。かわせみ皆の面倒見の良さと、優しさに溢れてます。2015/01/28
りゅう
9
御宿かわせみシリーズ、順不同で読んでるのだが、そうか、やっぱりこの二人は夫婦になったのか。おまけに子供いて、微笑ましい。人情の溢れたこの町に住んでみたいな。2010/10/06