出版社内容情報
三国志の魅力は何か、その英雄の素顔は、宰相の条件は。また中国人の見方、考え方は、などなど。五千年の"歴史と英知"を語り合う
内容説明
魏の曹操、蜀の劉備、呉の孫権、そして関羽、天才軍師・諸葛孔明…天下を三分した男たちが戦うドラマ『三国志』は、世界中で最も愛読されている書物である。『秘本三国志』の著者が中国に精通する人々と語る『三国志』の魅力は。英雄たちの素顔は。宰相の条件は。また中国人のものの見方、考え方、悠久の歴史と英知にふれる。
目次
三国志の魅力とは何か(尾崎秀樹)
三国志の表と裏(狩野直禎)
三国志、英雄の素顔(立間祥介)
わが友諸葛孔明(百瀬明治)
中国古典に見る宰相の条件(守屋洋)
「戦国」の戦争と人間(山崎正和;鯖田豊之)
中国英傑たちの再評価のされ方(竹内実)
文人が政治家になる条件(貝塚茂樹)
同文同種というけれど(武田泰淳)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
21
○中国に造詣の深い陳さんと学者、作家たちとの対談です。三国志に直接触れている部分よりも2章以降、特に3章が面白かったです。貝塚さんとの対談は大変良かったです。2023/11/20
BIN
7
陳舜臣と中国に関して著作のある学者等との対談集。学者より陳氏の方が中国史に詳しいのかとちょっと疑問に思いました(対陳氏だから下手に出ているのかもしれませんが)。「中国英傑たちの再評価のされた方」が一番面白く読めました。同文同軌とか中国は皇帝と宰相のペアに対して日本は一人で両方を担っていたとかなるほどと思えるところがしばしば。近現代のところはやはりよくわからんなあ(興味が無いというのもありますが)。2016/08/27
caramelscratch
2
「厳と緩」、厳しさとやさしさというのは、中国流政治手法の大きな伝統です。日本の今の政治家は、普通の政治家はね、どうしても緩・緩・緩に流れやすいんです。何でも、いいよ、いいよって聞いていれば、人気も高くなりますしね。厳しい政治をやるというのはなかなか勇気が要るんです。(p145)2015/09/23
韓信
1
三国志と中国をテーマにした陳舜臣と著名学者・作家の対談集。対談相手は狩野直禎、立間祥介、鯖田豊之、竹内実、貝塚茂樹、武田泰淳等々、豪華なメンツ。演技と正史の比較、キャラクターの相違など、いま読むと新鮮味がないうえに話題の重複が多くて退屈だが、貝塚茂樹との文人政治についての対談は面白い。武人の反対ではなく、武人やその反対のスペシャリスト的な官僚をまとめて統率するゼネラリストとして、大局を見て舵を切る文人が尊重されてきた中国の歴史と、スペシャリストが政権を担う戦中戦後の日本の弊害等を説得的に語っている。2016/12/22
のんたん
1
陳氏と中国史の著名な方との対談集。前半部は対談時期が1990年代と比較的最近で(それでも25年以上前)、話も三国志の登場人物がメインだったため楽しく読めたが、後半は対談時期が1970年代と古く、内容が政治とか現代中国の話しが多かったので少し難しかった。2016/03/17