内容説明
鬼平犯科帳が、時代を超えて現代人の心を強く捉えるのは、部下を束ねる平蔵の“リーダーシップの見事さ”にある。部下を思いやる心の篤さ、だからこそ部下も我を忘れて働く…名管理職・平蔵の真骨頂を描く「五月闇」のほか、「あごひげ三十両」「尻毛の長右衛門」「殿さま栄五郎」「浮世の顔」「さむらい松五郎」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
137
6つの話がおさめられています。今まで活躍してきた盗賊上がりの密偵の一人が亡くなってしまいます。読者としては残念なのですが、作者としては入れ替えも必要だと感じたのでしょう。鬼兵が上司から部下の不始末も責められますが、なんだかすっきりしない終わり方です。また忠吾という部下にそっくりの人物が出てくる話も楽しめました。2017/06/06
ポチ
65
明るく元気な伊三次が死んでしまった…。仲の良かった伊三次を自分の菩提寺に葬り、涙とともにケジメをつけた忠吾。そのせいか少し大人になり?盗賊のお頭になりきって偉くなった忠吾が見られて面白かったです。2017/05/14
s-kozy
59
この巻では密偵の伊三次の最期を描く話がある。それを受けた同僚の活躍も描かれる。生には終わりがあるものだが、しみじみと悲しい。これもまた人生。2014/10/16
aponchan
39
久しぶりに鬼平シリーズに戻った。止まらなくなるので、二、三冊ずつ読み進めるようにしている。部下が理由は兎も角、減ったり入れ替わりがあっても、強い組織作りは参考になる。次に進もうと思う。2019/10/09
小梅
35
五月闇で密偵の伊三次が殺されてしまった。助からないだろう事を察しながら見舞いに行く鬼平に切ない思いがした。 最後の、さむらい松五郎では今まで兎と呼ばれていた忠吾の成長が微笑ましかった。2013/11/07