出版社内容情報
エッセイの名手が腕によりをかけた46篇。極めつきのゴシップと汲めど尽きぬガク。和田誠のイラストも楽しい二重奏。ニヤリ笑ってあとは忘れていただけば満足です
内容説明
「背広を何十着も持つてゐる男でも、よく着る服は限られてゐるといふ。気に入つた服ばかりひいきにしてしまふのである。話題もまた、さうではなからうか。酒席では何度もしやべつたことのある、しかし書くのはたぶんはじめての話ばかり…」と著者の言う、粋でお洒落でガクもあるエッセイ集。
目次
田辺さんの電話
佐々木邦の糞尿譚
パロディ白秋詩集
画家の来訪
犬の名前
歴程フェスティヴァルのために
ほととぎす
パロディ萩原朔太郎〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
10
丸谷さんの得意分野のような感じがします。私の大好きなエッセイで読んでいて本当に飽きがこないというか、さらにこの中に出てくる本などを読みたくなります。解説が向井敏さんなのがさらに興味をそそります。2014/06/11
hirayama46
4
1983年刊行のエッセイ集。2000年代のエッセイにも通ずる筆致はこのころから発揮されていました。東西南北の雑学が詰まっていて、品が悪くならない下ネタのさじ加減もクールですね。2024/03/06
パチーノ
3
「オール読物」1982年4月号から1983年6月号に連載されたエッセイ46篇を収録。装幀・イラストレーションは例に漏れず和田誠が担当している。ハードカバーにて読了。最初の3篇『毛ぎらひ』『どちらの…?』『大根おろしについての一考察』は前書きにもある通りニヤリとさせられた。あとは『商標語源辞典』が良かった。2015/11/30
ゴリゾウ
2
背広を何十着も持っていても、よく着る服は限られている。話題もそうではないだろうか。エッセイの名手がとっておき四十六編を披露。粋でおしゃれで、ガクもある男と女たちへ。『文庫解説目録』 #10231984/06/01
shimiminzou
2
丸谷才一の本領である簡潔ながらも練りと学識を感じさせるエッセーであった。2014/01/08