文春文庫<br> 最後の将軍 - 徳川慶喜

文春文庫
最後の将軍 - 徳川慶喜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 254p
  • 商品コード 9784167105013
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

すぐれた行動力と明晰な頭脳を持ち敵味方から恐れと期待を一身に集めながら、時の流れに抗しがたくついに自ら幕府を葬り去らなければならなかった最後の将軍徳川慶喜、悲劇の一生。解・綱淵謙錠

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

k5

80
久方ぶりに大河ドラマ観てます。なんかね、ここ数回、権力者に振り回される人の話だったので、権力者は「承服できかねる」渋沢栄一が心地よいんです。この本は明らかに種本のひとつらしく、平岡円四郎とか斉昭の造形がかなり似てます。司馬遼太郎は皮肉な関西人の語り口がたまらなく好きな反面、ときどきマッチョイズムが発酵して苦手な臭いを放つことがあるのですが、素材が慶喜だけにそれほどきつくはなかったです。『竜馬がゆく』とか久しぶりに読もうかな。2021/07/09

zero1

76
名君か?それともピエロか?江戸時代が終わる。水戸出身の十五代将軍、慶喜を司馬が描く。彼は多才で有能な人物だったのかもしれないが、幕末で本当に悲劇となったのは会津の松平容保だろう。慶喜は鳥羽・伏見で逃げ、ひたすら保身の道を選択したが、見捨てられた兵たちは哀れ。また、【錦の御旗】と天皇の存在する意味について司馬は語るべきだったのではないか。最初に120枚。足りずに100数10枚。それでも足りずに200枚近く書き足した司馬。これでは【やっつけ仕事】と批判されても仕方なかろう。いいテーマだけにもったいない。2020/07/12

アッキ@道央民

52
徳川幕府最後の将軍、徳川慶喜。歴史の授業ではほんの触りの部分しか習わない人物だけど、こうして歴史小説で読んでみると興味深い人物だなぁ〜と思う。諸外国からの驚異にさらされ、国内世論も分かれていた幕末、徳川のためと言うよりも日本国のために奔走する姿はそれまでのお飾り将軍とは違い、政治家としては当時では優れていた人なんだろうなぁ〜と感じる。結果として徳川幕府・武家政治の幕引きの役目をせざるを得なかったけど、もう少し生きる時代が違っていたらその後の日本はどうなっていたんだろう。2018/01/12

流之助

45
徳川慶喜という人は、会津人の私から見ると、複雑な色を帯びている。慶喜は、到底一人ではこなせないほどの重圧を課せられ、難事に対して常に悩み戦ってきた。しかし、周囲を恃まず我一人の都合を守るために生きた面が、どうしても納得いかず、私はこの人物を好きにはなれないようだ。とはいえ、最後まで興味を持って「最後の将軍」という主題を楽しむことができたのは、司馬の冷静な筆致のおかげである。あとがきにもあるが、決して主人公と同一化せず物語を追う描き方が、私が慶喜を見るときの複雑な色を、別なものに見せてくれるのかもしれない。2018/07/18

24
『竜馬がゆく』からの流れでこちらを読了。はじめは淡々とした文章で、でも、『竜馬がゆく』を読了してすぐ読み始めたので、竜馬の余熱でいい案配でした。2016/01/27

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