文春新書<br> 植物はなぜ薬を作るのか

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文春新書
植物はなぜ薬を作るのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 240p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166611195
  • NDC分類 499.87
  • Cコード C0295

出版社内容情報

漢方薬に使われる生薬から最先端のゲノム解析によるメタボロミクスまで。植物がなぜどのように薬を作るのか気鋭の薬学者が解明する。ゲノム科学の進展で、今、薬用植物の世界が熱い!

ポリフェノール、カテキン、フラボノイドなど、今や日常用語として使われている植物由来の成分です。モルヒネやキニーネ、ヤナギの成分から作ったアスピリン、生薬を用いる漢方薬など、人間は古代から植物の作る薬を使ってきました。しかし、つい最近まで、なぜ、どのように植物が薬を作るのかは解明されていなかったのです。

その根源的なメカニズムがわかってきたのは、2000年代に入って植物のゲノム配列が決定されてからのこと。「動かない」選択をした植物が「生き残り」戦略として、動物などの捕食者から身を守るため、いかに巧妙なシステムで「毒」のある成分を作るのか。しかも、その「毒」から自らを守るためにどのような方法を採っているのか。その「毒」には抗がん薬の元となる成分も含まれます。

そうした巧緻なしくみが、ゲノム科学の発展により遺伝子レベルで突き止められるようになってきました。中国からの輸入が困難になりつつあるカンゾウ(甘草)の成分も人工的に作ることが可能になるなど、最先端のバイオテクノロジーにも触れつつ、驚くべき植物の戦略を明らかにします。

斉藤 和季[サイトウ カズキ]

内容説明

それは「動かない」という選択をした植物の「生き残り」戦略だった。ポリフェノール、解熱鎮痛薬、天然甘味料、抗がん薬まで―。なぜ、どのように植物は「薬」を作るのかを、植物メタボロミクスの専門家が最先端の研究成果で説きあかす。

目次

第1章 植物から作る薬
第2章 薬になった植物成分
第3章 植物はなぜ薬を作るのか?
第4章 植物はどのように薬になる物質を作るのか?
第5章 植物の二次代謝と進化のしくみ
第6章 バイオテクノロジーと植物成分
第7章 人類は植物とどのように相互共存していくべきか?

著者等紹介

斉藤和季[サイトウカズキ]
1977年東京大学薬学部製薬化学科卒業。同大学院薬学系研究科に進学。82年薬学博士号取得。85年千葉大学薬学部助手。87年ベルギー・ゲント大学分子遺伝学教室博士研究員となる。現在は千葉大学大学院薬学研究院・教授、薬学研究院長・薬学部長、理化学研究所環境資源科学研究センター・副センター長。生薬学、薬用植物や植物成分のゲノム機能科学、バイオテクノロジーなどの研究と教育に携わる。文部科学大臣表彰科学技術賞、日本生薬学会賞、日本植物生理学会賞、日本薬学会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mae.dat

224
植物は環境に適応した精密化学工場。進化過程での前適応と同様に、欲しい物質の前駆体が重要ですね。化学合成する為には、それを促す触媒が欲しいし。その工程を何十と繰り返し様々な化合物を作り出す植物たち。設計図やプラン無しに、悠久の時間を掛け、偶発を期待し(?)、試行を繰り返して、今に至るんだなぁ。気が遠くなる。二次代謝を獲得してその植物の特異性が産まれるのですね。分子の繋がり方の違いで生理作用が変わるのも不思議です。化学面白い。もっと色々知りたくなりました( ¨̮ )。2022/06/07

kinkin

111
最後のほうに書かれていた植物は地球を汚さない精密化学工場という言葉に納得。抗がん剤や鎮痛剤をはじめ多くの薬が植物から作られていること、毒にもなれば薬にもなる成分を持ちながら植物はその毒にどう対応しているかなど興味をそそられる事が色々と書かれていた。アルカロイド、フラボノイドという言葉や漢方薬の名前は時々見聞きする。化学的構造は私には難しすぎたが読み物として面白い。未知の特効薬を持つ植物も多いと聞く。地球の環境破壊でこのような植物も絶滅すれば結局人間は人間の首を締めることになっているのだなあ。2019/12/14

yumiko

74
中医学を勉強していて改めて感じる植物の力。ちょっと専門的かな?とも思ったけれど、手に取って良かった。一言で言ってしまうと、植物という存在にただ圧倒されてしまった。題名の答えは帯にある通り。彼らは別に人間のために薬を作ってくれているわけではなく、長期間に渡る生存戦略の結果作られた成分を私たちが有難く頂戴しているだけ。話題のポリフェノールも、彼らの苦慮の産物だ。植物は「地球を汚さない緑の精密化学工場」とは納得の喩え。人類より遥かに長い間地球上に生きる植物、その戦略と能力にひたすら驚かされた一冊だった。2017/05/05

Miyoshi Hirotaka

41
移動できない植物の生存戦略は自らを化学工場にすること。太陽と土を糧にして光合成で成長し、化学物質で敵を防御し、味方を引寄せ繁殖する。薬はこの過程で生成される。人間だけでなくチンパンジーも植物を薬として使う。薬の発見は、偶然の所産の蓄積だった。近代薬学の起源は、アヘンからモルヒネを単離することに成功した19世紀。天然物から単一成分を精製することや、人工合成する研究で西洋医学が発展。一方、人体をシステムとして捉える東洋医学は、ブラックボックス的と批判され、一時後退したが、現在、医師の約9割が漢方薬を使用する。2019/01/08

樋口佳之

40
シロイヌナズナをモデル植物として、ゲノム解明の国際的研究協力が進んだ理由の一つに、シロイヌナズナが商業的価値のない植物だった点が挙げられます。各国研究者や研究費を出す各国政府は、もっぱら基礎研究としてシロイヌナズナのゲノム研究を推進し、実験データや研究材料の無償共有が可能であったことが、研究進展の大きな要因になりました。/逆に、重要な作物や商業価値のある植物の場合は、重要な遺伝子配列情報も秘匿されたり、特許で利用が制限される場合があります。/本論無関係ですが一番印象的なのここでした。2019/06/24

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