出版社内容情報
ゲンは担がない、将棋に運や調子は関係ない、すべて実力…現役で唯一羽生善治と互角に渡り合うトップ棋士が勝負を制する極意を語る。
羽生善治が最も恐れる男
ゲンは担がない、将棋に運や調子は関係ない、すべて実力…現役で唯一羽生善治と互角に渡り合うトップ棋士が勝負を制する極意を語る。
内容説明
弱冠二十歳で棋界最高位「竜王」を獲得、五連覇で初代「永世竜王」、そして竜王戦九連覇を果たした著者が、「ゲンは担がない、将棋に運やツキは関係ない、すべて実力」という、徹底的にドライな勝負の極意を語る。
目次
第1章 永世竜王への道のり
第2章 羽生さんという棋士
第3章 羽生世代との戦い
第4章 すべて実力―将棋にツキは関係ない
第5章 読みと見切り―勝負を制する心構え
第6章 コンピュータが将棋を変える?
第7章 プロ棋士として生きる
第8章 永世竜王としての矜持
著者等紹介
渡辺明[ワタナベアキラ]
1984年東京生まれ。将棋棋士。1994年に奨励会入会。2000年、史上4人目の中学生棋士となる。2004年、弱冠20歳で棋界最高位の「竜王」を獲得。2008年、5連覇を果たし、初代「永世竜王」の有資格者となる。以降、9連覇を達成。2013年に「王将」と「棋王」を獲得し、三冠王となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
太田青磁
30
2008年竜王戦。羽生を迎え奥州平泉での第3局を落とした後、新幹線のホームでの悄然とした気持ちを一生忘れることはできない。その後4連勝、そして永世竜王の称号を手にした渡辺の勝負に向ける思いがつづられます。すべて実力、ゲンを担ぐのは気休め、勝負にロマンを求めたりしない、リスキーな手を読んでおくことで平常心を保つ、悪手は相手にとがめられて初めて悪手になると怜悧さがキラリと光る反面、勉強は裏切らない、盤上においては先輩も後輩も無いと人間らしさがあふれ出ています。コンピュータやデータに寄せる考え方も現代的です。2015/12/06
Emperor
18
渡辺竜王、棋風とか立ち振舞いがなんとなく好きで、本書を読んでみました。文体から渡辺らしさがにじみ出ていて、その一言一言に将棋界のトップクラスとしての責任感とプライドが感じ取れました。そうそう、まさかの競馬好きっていう(笑)2016/08/09
チャー
14
初代永世竜王を達成した著者が勝負についての思いを綴った本。将棋にツキは関係ないという考え方は、勝負の結果は事前の徹底した準備と研究、日々の学習が勝負を決めるという思いを反映しており、第一線で活躍されている著者の強く高い意識を感じた。強さと段位はある意味その時点では関係なく、プロ同士の戦いの勝ち負けは常に拮抗しており、勝って当たり前と思われることは厳しい側面があるという内情が記されている部分は印象的。負けてこそメンタルが強くなるという点は勝負に向き合い結果を認めて振り返ることの大切さを深く感じた。2022/05/11
Kaz
14
渡辺=竜王。私の中では、彼の将棋は「面白みのない勝つためだけの将棋」。落合ドラゴンズの野球に似ている。本書を読んで、その思いに納得いくことが多かった。2015/12/01
目黒乱
12
羽生さんへの愛を感じられる一冊。2013/12/12