文春新書<br> イタリア人と日本人、どっちがバカ?

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文春新書
イタリア人と日本人、どっちがバカ?

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166608768
  • NDC分類 302.37
  • Cコード C0230

出版社内容情報

敗戦からの奇跡的な復興、近年の政治・経済の劣化、債務危機……。多くの共通点を持つ両国を在日歴20年以上の筆者が徹底比較する。

内容説明

長い歴史を誇りながらも、今では「立派な」借金大国―。敗戦からの奇跡的な復興からアメリカ主導のグローバリゼーションまで。多くの共通点を持つ日伊両国に関して、在日歴20年以上のイタリア人建築家がウィットとユーモアに富んだ比較文化論を展開する。

目次

第1章 イタリア人の暮らしは、いまどうなっているのか?
第2章 歴代政権はなぜ借金財政を放置してきたのか
第3章 横たわる「南北問題」―ナポリがミラノを食いつぶす?
第4章 マフィアと闇経済―「イタリアの富」はどこへ消えた?
第5章 イタリア人は、本当に「怠け者」なのか?
第6章 巨額の「年金」と「社会保障」そしてはびこる「脱税」
第7章 イタリアの怪物「ベルルスコーニ」とは何だったのか
第8章 モンティ新政権はイタリアを救えるのか?
第9章 イタリアは、明日の日本か?―日本人への警告

著者等紹介

グラッセッリ,ファブリツィオ[グラッセッリ,ファブリツィオ][Grasselli,Fabrizio]
1955年、イタリア・ミラノに近いクレモーナに生まれる。ミラノ工科大学を卒業後、建築家として数カ国で活躍し、その後日本に魅せられ、永住を決意。東京に住んで20年余り。イタリアの芸術、文化、語学を教える正式の免許を持ち、こちらをもう一つのライフワークとしている。現在はイタリアで最も古い伝統と権威を持つ文化団体「ダンテ・アリギエーリ協会」東京支部の会長を務め、同団体が設立したイタリア語学校「イル・チェントロ」校長でもある。また、慶應義塾大学でも教鞭を執っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

活字スキー

18
タイトルだけ見て、町山さんのアメリカンバカエピソード集みたいなのかな?と思ったら良い意味で全然笑えない内容だった。イタリアのとある家族の日常をモデルにして今のイタリアが抱える問題を分かりやすく語り、最後の章では同じような問題に瀕している日本にも厳しい警告がなされる。民主主義とは単に物事を多数決で決めるという手続きだけの話でないように、教育とは良い大学に入って楽して安泰な良い仕事に就くための手続きではない。非現実的なヒーローをアテにするのではなく、やはり一人一人が自分の頭でちゃんと考え、行動しないとね。2015/05/16

あかいろ

13
自分の浅学さに気付きました。わたしはどっぷりと日本文学に浸っていて(それも誇れることの一つだと思ってはいるけれど)、政治経済国際という目の前の現実にとても弱い。 今回はじめて、勉強のために手にとったのですが、脳の使っていない部分が軋みながら動き始めたように思いました。「何かと日本はやばいのでは?」と、若輩者らしい軽さで うっすら思うことはあれど、直視しようとしていなかったこと。まずは自分がしっかりと意見を持てるようにならなければ、人を育てることはできないなと。「知る」きっかけを与えてくれた1冊でした。2015/11/04

ふぇるけん

10
タイトルは軽いが読み応えのあるテーマだった。イタリアの統一の背景、南北格差問題、ベルルスコーニ政権やモンティ政権の問題、などなどイタリアの市民目線の日常が伝わってきた。そして、イタリアの抱える問題は日本にも参考になるものであり、教訓として生かさねばならない。そのためにも、日本の政治を一人ひとりがきちんと監視し、声を上げていこう!2013/03/26

Miyoshi Hirotaka

10
おバカさで先行していたイタリアに日本が急激に追い付き、両者の「バカっぷり」は互角。戦後の急成長とその後の低迷、政治の機能不全、財政赤字の放置、膨大な借金、アメリカ主導のグローバリゼーションなど両国には共通点が多い。自分たちの愚かさが不幸な事態を招いたのも同じ。イタリアは千数百年かけて身に着けた「なんとかうまくやる」才能に期待するしかないが、日本は自力更生可能。それは、この国と世界の今と未来を真剣に議論し、新しい世代に本物の「知」を受け継ぎ、無関心や無力感から解放する「静かな革命」を起こすことだ。2013/01/31

Honey

5
2012.9.20発行。 へぇ、イタリアにも南北問題が…に始まり、イタリアの歴史や、最近の普通の人々の生活等、新鮮で興味深かったです。後半は、痛烈なグローバル化批判と警告。ゴールドマン・サックスやらビルダー・バーガーやら三極委員会などにも言及があり、びっくり!(というか、やはり…) 311後の、特に混乱した日本の状況で書かれたせいか、今以上に日本の未来について、危機感が強い。 グローバル化が行きついてしまった感のイタリアにも、諦めずに頑張ってほしいし、私たちも、あの時のままではないし…いろいろ示唆に感謝!2016/05/18

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