出版社内容情報
大手出版社に34年間勤め、電子出版に身を投じた編集者が、自らの体験を基に既成メディアの希望的観測を打ち砕く衝撃レポート。
内容説明
著者は2010年5月、34年間勤めた出版社を退社し、これまで培ってきた人脈をネットワーク化して電子出版のビジネスに手を染めてみて。そうしていま言えることは、「電子出版がつくる未来」は幻想にすぎず、既存メディアのクビを絞めるだけだと思うようになった。
目次
第1章 「Kindle」「iPad」ショック
第2章 異常な電子書籍ブーム
第3章 そもそも電子書籍とはなにか?
第4章 岐路に出つ出版界
第5章 「中抜き」と「価格決定権」
第6章 日本市場の特殊性
第7章 「自炊」の不法コピー
第8章 著作権の呪縛
第9章 ビジネスとしての電子出版
第10章 「誰でも自費出版」の衆愚
第11章 コンテンツ産業がたどった道
著者等紹介
山田順[ヤマダジュン]
1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパ・ブックス」編集部を経て、2002年、光文社ペーパーバックスを創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。川崎順平、神山冴などのペンネームで、著者多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
29
それでも私は紙が好きだ。2014/07/26
金吾
20
私は電子書籍はほとんど買いませんが、自炊はしますので興味深く読みました。出版の背景がわかったこととただより高いものはないという状況がわかるところは面白かったです。終盤はややヒステリックになっているようで少し笑えました。2023/12/21
佐島楓
19
私も出版に関わる者として、情報収集はしている。書き手としてかなり厳しい現実も味わっている。けれどこんなに悲観的になってはいけないと思う。既存の物をいい意味でぶち壊すようなタイトルができないものかといつも考えているし、結局作る側の人間の工夫なのだから出版システムにしても試行錯誤していけばよいのではないかなあ。楽観的すぎるだろうか。2011/07/21
ステビア
15
電子書籍まわりの話をつらつら書いてるだけでまとまりがない。読む必要なし。すでに先例のあるタイトルを使う必要あったの?特に本文内でも断りないけど。2015/04/21
とうゆ
15
電子書籍によって既存の出版社によるビジネスモデルが崩壊し、それが本の質に多大なマイナス影響を与えるのではないかという内容だった。もちろんビジネスモデルは変わらざるを得ないと思うが、アメリカの電子書籍と出版社の共存の例を見ればわかるとおり、大崩壊とまではいかないと思う。編集者の確かな目を必要としている人は大勢いるし、紙の本を出すことがステータスであることは変わらないだろう。もちろん、出版社の市場規模は小さくなるだろうが。2014/09/26