文春新書
座右の名文―ぼくの好きな十人の文章家

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  • サイズ 新書判/ページ数 223p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166605705
  • NDC分類 281.04
  • Cコード C0295

出版社内容情報

漱石、鴎外、寅彦、茂吉……日本を代表する文章家たちの、この作品のここが読みどころ!
新井白石、本居宣長、森鴎外、内藤湖南、夏目漱石、幸田露伴、津田左右吉、柳田國男、寺田寅彦、斎藤茂吉の10人。それぞれのどの作品がどう好きで、どういう面が読みどころか、その人となりがどう文章に表れているかを解説。人物評をまじえた高島流面白読書ガイド!

内容説明

著者がいつもそばに置き、くりかえし読んでいる、新井白石から斎藤茂吉までの十人の作品。本書は、それぞれのどの作品がどう好きか、どうすぐれているかを、その人となりをまじえて解説する。

目次

新井白石―自分の優秀さをみずから書きのこした大秀才
本居宣長―神がかり的でもあり合理的でもあり
森鴎外―「満点パパ」と冷徹な創作家と
内藤湖南―日本初の大学出でない大学教授
夏目漱石―『坊っちやん』は「探偵・恋愛小説」である
幸田露伴―俳諧の注釈にすごみをみせた稀代の博識
津田左右吉―処世のへたな独歩の人
柳田國男―『遠野物語』をめぐる二つの立場
寺田寅彦―「仙骨」を帯びた漱石門下の異才
斎藤茂吉―にじみ出てくる可笑しみ

著者等紹介

高島俊男[タカシマトシオ]
1937年生れ、兵庫県相生出身。東京大学大学院修了。中国語・中国文学専攻。大学教員をへてフリー。著書に『李白と杜甫』、『水滸伝と日本人』(第5回大衆文学研究賞)、『三国志 きらめく群像』、『本が好き、悪口言うのはもっと好き』(第11回講談社エッセイ賞)、『漱石の夏やすみ』(第52回読売文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

禿童子

33
高島俊男さんの3年前の訃報後に未読の本書の存在を知り、読んでみた。好きな文章を書いた十人の文人の人となりを紹介する。高島さんの好みは独立独行の人らしく、本居宣長、内藤湖南、津田左右吉、柳田國男の記述に力が入っている。それぞれの好ましいところ、残念なところが高島さんの明快な説明で語られて大いに参考になった。『遠野物語』の柳田の文語文と本来の語り部の口語文を比較して、文学的センスと民俗学的見地で評価が分かれる点が興味深い。2024/01/14

K(日和)

9
著者の1人語りをもとに作った本とのこと。タイトルからすると、作家のある本の、ある一文が紹介されて、それについて著者がどう思うかが書かれているのかと思った。だが、著者が各作家たちを紹介し、作品を引用し解説し、読んだ気にさせられる。ぜひ読みたいと思う本がちらほら見つかった。2014/03/22

よしひろ

8
漱石、寺田寅彦、鴎外、新井白石、津田左右吉など、名文家が登場。本居宣長の章では、日本人は海の果てに素晴らしい価値のあるものがあると信じてきたという話が出てくる。国内にも価値はあるということを証明したのが、本居宣長の作品だと。そういう見方があるのかぁ。すごい。2015/10/31

Ryoichi Ito

7
「著者がいつもそばに置き,くりかえし読んでいる,新井白石から斎藤茂吉までの十人の作品。本書は,それぞれのどの作品が,どうすぐれているかを,その人となりをまじえて解説する」新井白石,本居宣長,森鴎外,内藤湖南,夏目漱石,幸田露伴,津田左右吉,柳田国男,寺田寅彦,斎藤茂吉。露伴は桁外れの博識で,読んだものは全部正確に覚えていたらしい。しかし,この本は「しゃべって作った本」というから高島さんの記憶力も桁違いだ。十人に共通するのは独創性だ。天才と言ってもよい。高島さんが好きな十人の天才論だ。 2022/07/18

がんぞ

6
著者は1日数十冊を散読するとか。本書も「語り下ろし」でもう手で文章書く気力はないらしい。俺もそういう状況になるまでに“基礎的教養”を積みたいと必死に読書しているが道は遠い。忙しくて速読術習いに行く暇がない。柳田國男を速読は不可能でないだろうか。若いうちには理解しがたい情感がある。森鴎外の漢文的教養と西欧体験を兼ね合わせた傑作といえば『即興詩人』となるだろう、アンデルセンの本国ではあまり評価されないらしい翻訳の妙技。幸田露伴を「雑多な知識がありすぎる」は言い得て妙。斎藤茂吉をエッセイで評価は正当だが珍しい。2014/11/05

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