文春新書
英文法を知ってますか

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166603442
  • NDC分類 835
  • Cコード C0282

内容説明

それはイギリス人の英語に対する劣等感という土壌の中に胚胎し、アカデミー・フランセーズの刺戟によって促進され、十八世紀の半ば頃に「規範」の観念が確立し、十八世紀の末にアングロ・サクソン法的な発想にしたがい「慣習」と「理性」の妥協によってほぼ完成し、国家や政府の権力によらず商業ベースで世界的規準となり、二十世紀後半から新言語学の批判を受けながらも、立派な文章を「読み書き」できるようにしてくれる唯一の王道である。

目次

英文法とは
文法は魔法であった
宗教改革と言語平等思想
英語に対する劣等感の発生
最初の英語文典―ブロカーの『簡約文法』
初期英文典の背後の二大問題
英文典の第二号はラムス派
十七世紀の稔らざる努力
十八世紀の「規範」への衝動
マリーによる規範文典の大成
十九世紀と規範英文典
二十世紀後半の規範文典批判
変形生成文法のプラスと偽善

著者等紹介

渡部昇一[ワタナベショウイチ]
1930年、山形県鶴岡市生まれ。55年、上智大学大学院西洋文化研究科修士課程修了。ドイツ・ミュンスター大学留学、Dr.Phil.(哲学博士)。英国オックスフォード大学留学。アメリカの六つの大学で招聘教授。Dr.Phil.h.c.(名誉哲学博士)。上智大学文学部教授を経て名誉教授。イギリス国学協会会長、日本ビブリオフィル協会会長など。著書も多数。76年、日本エッセイスト・クラブ賞、86年、第一回正論大賞受賞
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とらじゃ

6
10年ぶりの再読。やっぱり昇一先生の本は面白い!ゆとり教育真っ盛りの日本では、英語が出来ないのは文法を教えるせいだという説がまかり通り、その教育を受けた世代が英語に堪能になったかといえば疑問だらけ。文法の勉強には忍耐が必要とある様に、ゆとり教育は英語をきちんと読み書きする力と同時に、コツコツ努力する忍耐力も子供達から奪ってしまったかの様だ。英文法の歴史に関する記述は、難しい内容だが、とても面白く読めた。本当に分かっている人の文章は、分かりやすい、という見本のような本だと思う。2016/01/26

富士さん

4
再読して断念。内容はすごくいいのですが、この人の人格がどうしても受け付けない。文法批判の根本にある覇権文化への批判を、”正しい”文法を学ばないと既存のヒエラルキーは登れないという理由で批判するのは、その精神を全く理解する気がないか、能力がないかを示しているように思います。その行きつくところは日本人の二流英米人化の肯定で、日本大好き系の人が絶対拠ってはいけないところです。端々に見える自然な残忍さは、きっと自分の世界を決定的に辱められることなく生きることが許されて来たんだろうなと、うらやましく思います。2020/01/03

kyhitsuji

4
英文法の歴史の本。文法が載っている訳ではない。ちょっとタイトルが悪いかなと思った。結構難しかった。 英語が話せる人が読むとより面白く読めると思う。土着語の英語と共通語のラテン語・フランス語、発音と綴りの乖離問題、表意主義と表音主義、品詞をどのように区別するか、8品詞か2分法か、二重否定の扱い方、ヴィクトリア朝において下層労働者階級から抜け出すためには規範文法で手紙が書ける事が王道だったと等々 興味のある話ばかりでした。2014/09/30

やま

2
英文法の歴史などという地味極まりないテーマをこれほど面白く読ませるとは。2013/01/25

キングオブ読書

1
いや〜、難しくて俺にはわからん。理解できない箇所多し。 とりあえず英文法はgrammar 由来はギリシャ語のグラマティケ。グラマ(文字)とテクナ(技術)で文字の技術。 ヨーロッパはラテン語を共通に使用してきたが、宗教改革によって各国の言語がその地位を築き、英語もそれに従った。 よってラテン語が英語の使い方を確立するための元となっている。 文法体系と綴(発音)の2大問題があり、16〜18世紀にかけて徐々にまとめられていく。19世紀にはほぼ規範文法として成立。2017/05/06

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