文春新書
イスラーム世界の女性たち

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  • サイズ 新書判/ページ数 236p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166603404
  • NDC分類 367.228
  • Cコード C0222

内容説明

「妻は四人まで」の男社会、ブルカのような民族衣装を強制され虐げられる女たち―。イスラームの世界を「別世界」と考えてはいないだろうか。シバの女王から現代サウジのプリンセスまで、彼女たちはいかに苦しみ、楽しみ、権力をも握り、暮らしてきたのか。中東を中心に、アッラーの教えを守りながら生きる女性たちの真の姿を描いて、誤解と偏見に満ちたイスラーム観に一石を投ずる。

目次

第1章 シバの女王の系譜
第2章 イスラーム伝承に見る女性に関する五つの書
第3章 イスラームの平等意識
第4章 男女関係
第5章 男の誇り
第6章 女性隔離の風習
第7章 女の長風呂「ハマーム」の愉しみ
第8章 後宮からの脱出
第9章 革命の蔭に女あり
第10章 サウジアラビアのあるプリンセスの告白

著者等紹介

白須英子[シラスヒデコ]
翻訳家。1958年、日本女子大学英文学科卒業。1958‐63年、ソニー株式会社外国部勤務
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

阿呆った(旧・ことうら)

27
◾︎現在では地域により程度の差はあるが、ムスリム社会は明確な『男尊女卑社会』で、コーランにもその旨が載せられている。◾︎理由は『ムハンマド時代、アラビア半島の砂漠地帯の遊牧民は、他部族を襲って食料や家畜を略奪せざるを得なかった。必然的に屈強な男性に優位性があった』からだ。一夫多妻制は、夫が戦死した寡婦を救う側面もあった。◾︎ムスリム社会は『恥の文化』で、女性の不貞は男性の名誉にかかわる。コーランにも謳われている『目には目を』の精神から、女性を火あぶりにする等の殺人が行われるのだろう。(一部要約)2015/12/13

Mana

7
イスラーム自体は女性蔑視ではなく一般に思われてるほど現代イスラーム女性の地位が低いわけではないということ。歴史が流れる中で隔離されるようになり、それを本来のあり方に戻そうという動きが盛んになっている(ここら辺は「変わるイスラーム」にものってた)。イスラーム世界でも女性の進出が進んでいるというのは違和感なく読めた。ただ女性の間でも階級によって差があるはずでそこのところが抜け落ちていたのは残念。2012/03/06

ぎすけ

2
イスラーム世界に住んでいる女性たちの立場や存在の意味を、時代を経てどのような変遷をたどってきたかを書いているが、国によっても個人によっても多様で、男性より低い地位でもなく、むしろ西欧以上に高い場合もある。それでも未だ差別と戦う人たちもいて、複雑な問題だと思わせる。2012/01/31

2
イスラームの研究者ではなく、英文学の翻訳家によるイスラームの女性論。論、ほどではないな、紹介。なんじゃそら(笑)。『皇女セルマの遺言』を読む前段階として適切だといいな。イスラームの女性に焦点を合わせることによって、イスラームの男性社会も、近代化に伴う女性の解放も、更に近代化(欧米化)に反発する原理主義化、民族主義化もわかるという、奥行きあるイスラーム入門書でした。欧米側からは見えない物の見方ってものが世の中にはあるということを、日本人はもっと知ってもいいのかもしれない。ただし、原理・国粋主義化せずに。2010/10/15

ishicoro

1
ムスリム社会では男性は金さえ有れば離婚できるのに女性は男性に非がないと離婚できず、離婚しても子供を手放さないといけないなど、女性に不利な制度が多いんだな思った訳で。サウジアラビアで不倫で石打ちによる死刑などが行われているとの話も衝撃。。。女性の割礼の件も今まで知らなかっただけにこんな文化があるのかと衝撃。。。一方、シーア派国家のイランでは一時婚って仕組みで男女がデートできるような仕組みが合ったりする点は興味深かった。日本人の感覚で見るとムスリム社会は女性にはあまり居心地のいい場所ではないような気がしますね2014/03/16

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