• ポイントキャンペーン

文春新書
日本語の21世紀のために

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 179p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166602889
  • NDC分類 810.4
  • Cコード C0281

内容説明

「革命と戦争の世紀」といわれる二十世紀は、また「言語の世紀」でもあった。近代国家が誕生し機能するためには、コミュニケーションによる国民の統一、国民語の完成が不可欠だったからだ。われわれの「国語」はかなり強引な形で成立せざるをえなかった…。長い歴史を背負う一方、国家の要請、大衆化の波にさらされてきた近代日本語の運命を、広く文明論の立場から論じあい、国語教育について具体的な改新案を提示する。

目次

第1章 言語の時代としての二十世紀(二十世紀は「言語の世紀」;スターリンが書いた言語論;言語表現の二面性 ほか)
第2章 現代日本人の日本語への関心(標準語の成立;書き言葉しかなかった共通語;地方語で ほか)
第3章 日本語教育への提案(母親の口からやまと言葉が消えていく;国語学と日本語学;川端康成も使った「見れる」 ほか)

著者等紹介

丸谷才一[マルヤサイイチ]
作家、評論家。1925(大正14)年、山形県鶴岡市生まれ。50年、東京大学英文科卒業。『笹まくら』(河出文化賞)『年の残り』(芥川賞)『たった一人の反乱』(谷崎賞)『後鳥羽院』(読売文学賞)『忠臣蔵とは何か』(野間文芸賞)『横しぐれ』(インデペンデント外国小説賞)『樹影譚』(川端賞)など。「多ジャンルにわたる知的にして旺盛な文筆活動」に対し2001年、菊池寛賞

山崎正和[ヤマザキマサカズ]
劇作家、評論家。1934(昭和9)年、京都に生まれ、少年時代を満州で過ごす。52年、京都大学哲学科に入学、61年、同大学博士課程を修了。関西大学、大阪大学教授を経て、東亜大学学長。『山崎正和著作集一~十二』『世阿弥』(岸田戯曲集)『鴎外 闘う家長』(読売文学賞)『実朝出帆』(芸術祭賞優秀賞)『病みあがりのアメリカ』(毎日出版文化賞)『柔らかい個人主義の誕生』(吉野作造賞)『オイディプス昇天』(読売文学賞)など。93年、大阪文化賞、99年、紫綬褒章
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

FK

6
 「日本語」というものへの興味関心から、この手の本は結構手にしてしまう。どちらかというと保守の論客のお二人の対談ではあるが、学ぶことは当然あるだろう、と。  文章を作るためには、本当はものを考える力が必要なんです。しかしお上としては、人民のものを考える力は昔のままの状態にしておきたかった(P.58 丸谷) 【その理由は言うまでもないだろう。エリート主義だ。】 2018/02/22

てら

5
日本語はもちろん、言語についての考え方を再確認できる本。言語というのは読める読めないではだめなのだ。文化、国体を成すものなのだ。国語教育に関する考え方は、教員やってる身としては確かにと思うところ多数。特に記述文練習については取り入れたいところ。小倉百人一首が江戸民衆にとってのカノンという事実もなるほど、と思った。2023/11/14

ochatomo

4
言葉の働きは外界の共有と内面の形成、肉体行動よりストレートに表現せずブレーキをかける面もある 国家が国語を作り共通語で支配して大衆化もおきること、「話すように書く」誤り(論理記述の欠如)等認識した 記述を表すのがあやふやな日本語で自我の成立は難しい 国語教科書は言葉を伝達道具として扱い「中身がなければ言葉でない」という関係が新聞記者でもわかっていない 活字と演劇、電話やラジオ、スーパーマーケットの役割言及も興味深かった 2002刊2018/12/26

kiji

3
日本語の言文一致運動からまだ100年ばかりしか経っていないということを、改めて指摘されぎょっとしました。現代日本語はまだ若い言葉なのですね。自分は正しく日本語を使って思考しているのだろうかと、反省させられました2013/03/25

となりびと

2
この国で生まれ当然のこととして読み書き、思考の道具としても扱っている日本語についての深い話。日本史上での役割から、言葉の果たしてきた重要性とこれからの日本語までが語られている。特に教育でなすべきこと、日本語ブームから見て取れる先見性は鋭い。この鼎談から十数年を経た現在、この国はクールジャパンを標榜し、内政では国粋主義とも捉えられる方向に向かっているのだから。日本語は内外の圧を受けて良くも悪くも変わってきた。それはこれからもそうだろう。けれど、その基本にあるものを捉えておく必要はきっと誰もにある。2014/06/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/474786
  • ご注意事項