出版社内容情報
アヘン戦争以来の欧米(日本も含む)の暴虐を考えれば、中国は今、何をしても許されるべきだ──これが中国人の一貫した論理である
内容説明
複雑な日、米、中三国関係のなかで、日本とアメリカが共通した「悩み」をもっている。対中国外交の難しさである。台湾問題、人権問題、歴史認識の問題、貿易問題などをめぐる米中、日中間の緊張関係は、今後も長期間続くだろう。最大の理由は、「社会主義体制の中国が読めない」、である。しかし、中国の世界戦略は、「社会主義」のイデオロギーのみによって策定されたものではない。いまこそ、「社会主義の中国」という固定観念を捨てて、「重い過去」を抱えている中国の現代を歴史のなかで見つめなおす作業が求められているのである。
目次
はじめに 歴史のなかの現代中国
第1章 敵か友か―中国的「弱国外交」
第2章 歴史認識―中国外交の思想的根拠
第3章 主権の絶対性―中国外交の性格
第4章 「一面抵抗、一面交渉」―中国外交の手法
第5章 アメリカ観と日本観―中国人の対外認識
おわりに 責任ある大国外交のすすめ