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文春新書
清張ミステリーと昭和三十年代

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  • サイズ 新書判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166600335
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

日本が大きく変貌した高度成長期と松本清張。この両者の出会いで花開いたのが「社会派」と称される新たなジャンルのミステリーだった

内容説明

社会派推理の領袖、松本清張と激動の高度成長期。数多の傑作として結実した、両者の濃密な相互交渉を読み解く。

目次

はじめに 高度成長期と清張ミステリーと
第1章 映画館の見える風景―『砂の器』
第2章 通勤サラリーマンたちの東京―『発作』『潜在光景』
第3章 小売店が元気だった頃―『坂道の家』
第4章 変貌する湯治場の男と女―『誤差』
第5章 愛と性の考古学(アルケオロジー)―『憎悪の依頼』
第6章 「人妻」の「貞操」をめぐる物語―『恐喝者』
第7章 「危険な斜面」の「小官僚」たち―『点と線』

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ユウユウ

22
清張の読みたい本が増えた。ひとつの昭和史だよなぁ。近現代史って近すぎて少し苦手意識が強かったのですが、清張のおかげで少しずつ気になってきました。2020/05/14

キムチ27

15
筆者は文系アカデミズムの人。世代は私より、大分上だが、吸っていた空気は似ており、面白く読んだ。 もっとも、社会派小説は清張のお陰で開眼できた私だから、面白さもひとしおというべきかな。 ベストセラー以外の小品も取り上げ、そういったものこそ世相の隅を映し出すきらっとしたものがと説いている。 映画館、サラリーマン、小売店、温泉、性と貞操観念、小官僚のキーワードから、映り行く「時の温度と情景」を分析。 二十歳以前の世界は何から霞んだ風景が多く、勝手に自分なりの解釈していた画像の焦点があった感じ。2013/09/20

つちのこ

14
昭和三十年代というタイトルに心の躍動を覚える。私が生まれた年代であり、間違いなくその世相を経験し育ってきた。もっと知りたくてその時代の資料をあさるが、吉永小百合や石原裕次郎の日活映画、そして清張ミステリは、自分にとっては宝箱のような価値がある。松本清張は高度成長に代表される昭和三十年代の潮流と社会の闇を巧みに切り取り、問題提起した作家である。50数年の時を経ても『砂の器』や『点と線』に代表される作品群はいささかも色あせていない。蛇足ながら、三十年代には映画館が一万人に一館の割合であったことを改めて知った。2021/06/30

村上春巻

14
【B+】※読んだ日不明の、備忘録的登録(図書館)。やはり同時代にむさぼるようにその作品を読みふけった人々と、ある程度一定の評価の定まったものとして対峙した世代(つまりは私)のあいだには―陳腐な表現だが―温度差というものが歴然とあることを再確認する読書となった。はたして清張作品も漱石鴎外のように日本文学の古典となりうるのだろうか。そんなことをぼんやりと考えてしまった。2020/05/09

ちくわん

10
清張先生の風貌を覚えている。まさに「昭和」。内容も昭和20~30年代で、TVドラマの世界。それでもそそられる。男と女、それが開「ミステリー」。禁を破って「清張」が読みたい。2018/11/08

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