出版社内容情報
玄宗皇帝が政治を疎かにし国が乱れていた唐の時代、民を救うため安禄山と史思明が挙兵し、安史の乱が勃発する。だが戦は泥沼化し、国は疲弊する。絶大な人気を誇った力者の娘・呉笑星、史家の長男・史朝義、安家の次男・安慶緒は、命を賭して戦を終わらせようと誓うが――。胸熱の歴史エンターテインメント。
内容説明
顔を上げろ、胸を張れ、怯むな。闘う者たちは誓った。自らこの大乱を終わらせる―たとえこの身が滅びても。胸熱の歴史エンターテインメント。
著者等紹介
千葉ともこ[チバトモコ]
1979年、茨城県生まれ。筑波大学日本語・日本文化学類卒業。2020年、『震雷の人』で第27回松本清張賞を受賞しデビュー。2022年、『戴天』で第11回日本歴史時代作家協会賞新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
29
玄宗皇帝が政治を疎かにし国が乱れていた唐の時代。民を救うため安禄山と史思明が挙兵し安史の乱が勃発する中、命を賭して戦を終わらせようと誓う者たちの戦いを描いた歴史小説。戦が泥沼化して国が疲弊する状況を絶大な人気を誇った力者の娘・呉笑星の視点から、安禄山の次男・安慶緒や史思明の長男・史朝義といった国を思う気持ちは持ちながらも、ままならない現実に抗う者たちの生き様を描いたストーリーになっていて、混沌とした時代では何が正義なのかを判断するのはとても難しいですが、信念を持って生き抜いた人々の姿が印象的な物語でした。2024/04/12
ぽてち
25
デビュー作の『震雷の人』、2作目の『戴天』と、安史の乱を背景にした“戦国時代を生きる人々”を描いてきた千葉さんの3作目。本作も前2作の流れを受け、燕の建国から安史の乱の終結までが描かれる。主人公となるのは、角抵(すもう)の英雄を父に持つ呉笑星。女性でありながら父の率いる朱鳥団に席を置く力者(力士)だ。幼馴染みの史朝義と共に、唐を倒すための戦いに翻弄される。この笑星のキャラが絶妙だ。角抵の猛者たちに鍛えられた高度な戦闘技術と、男勝りの肉体を持ちながら、女性としての繊細さを併せ持つ。敵役である黒蛇もよかった。2024/04/20
mitubatigril
9
中華を題材にしてあるけど気になら無い位すんなり読める。 蒼穹の昴以来じゃないかと思ってしまった。 安禄山の乱の後に起きた燕の建国から滅びるその時までが描いていて全く知らなくないけどほぼ知らない状態からで読んでいったけど結論が分かってなるほど思ってしまう位に入り込めた。 さて次はまた平安時代に戻ろうと思う。2024/04/10
toshi
5
昔中国に有った燕という国の物語。 とにかく、文章に凝り過ぎのうえ説明が足りないので状況はなかなか理解できない。 先に燕について調べたので、少なくともそれぞれの戦いの結果は分かっていたから何とかついて行けたという感じ。 敵と味方が混沌としてただでさえ複雑なのに・・・。 また交戦シーンでは描写が稚拙すぎて、池波正太郎のように闘う様子が目に浮かぶようなことは全くない。 折角面白い物語なのに、理解力の無い私には読むのが辛かった。 2024/03/26
うさぎや
3
安史の乱シリーズ3作目は燕側の視点から、長きにわたる乱の終結まで。最後の最後までなんとも哀しい。2024/04/24