八秒で跳べ

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  • サイズ 46判/ページ数 336p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163918013
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

春高バレーの予選まであと数日。主人公の宮下景が所属する明鹿高校男子バレー部は、6月のインターハイ予選で初めて県の準決勝まで進んだ。チームを引っ張るのは、同学年の2年生エースの置久遊晴。「いまのチームなら全国も目指せる」と、3年生3人が引退をせずにチームに残り、景、梅太郎、マリオらのレギュラーメンバーで、夏に敗れた全国常連の強豪校・稲村東と戦うことになるはずだった。

けれど……あの時、ネット越しに見えた相手の顔はよく覚えている。まずい、と思ったときにはすでに体勢が崩れ、足首から下が、ぐにゃりと曲がっていた。勝負の稲村東戦へ代わりに出場にすることになったのは、中学時代からのクラスメイト北村。実は大会後、北村が退部届を出すつもりでいたことを、景だけは知っている。だからこそ「勝手にしてくれ」と思ってしまった。そしてあの日から、何か歯車が狂いはじめる。

一方、怪我をする前夜、高校のフェンスを乗り越えようとしていた真島綾。それに驚いて自転車から転んだ景は足首を痛めていた。そのことに責任を感じているらしい真島に、景はバレー部のポスターを依頼し、連絡を取り合うようになる。圧倒的な画力で学園祭のポスターも手掛けた真島には、しょっちゅう高校を休みがちで、実は親友にしか明かしていない秘密があった。

景の側にいつもあったバレーボール、真島の側にいつもあった漫画。それぞれが楽しくて、ずっと続けてきたはずなのに、いつから苦しくなってしまったんだろう!? 自分の居場所が見つけられず、前に進めずにいるふたりの想いは交差しながらも、遂にクリスマス前夜に止まっていた時間が流れ出す――。

内容説明

明鹿高校バレー部2年生・宮下景×漫画家志望の同学年女子・真島綾。ふたりが出会った夜から、何かが変りはじめる―。21歳の現役医大生が高校バレー部を舞台に青春時代のリアルに迫る感動作誕生!

著者等紹介

坪田侑也[ツボタユウヤ]
2002年、東京都生まれ。現在、慶應義塾大学医学部在学中。2018年、『探偵はぼっちじゃない』で第二十一回ボイルドエッグズ新人賞を受賞。翌年、同書を上梓してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

170
王様のブランチBOOKコーナーで紹介されたので、読みました。🏐高校男子排球部青春譚の感動作です。本書でバレーボールが団体競技で一つのミスが即失点に繋がるシビアな競技だと再認識しました。排球における八秒の意味を初めて知りました。私は、身長と排球元日本代表の青山繁に似ていた(身長&外見)事から、これまで何百回とバレーボールやっていたのと訊かれますが、体育の授業と遊び以外では皆無ですと何時も答えています(笑) https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639180132024/04/05

おしゃべりメガネ

102
タイトルや装丁からわかるように360度、どこからどうみても120%のバレーボール小説です。バレー部2年アタッカー「景」はとある日、学校のフェンスを乗り越えようとしていた不思議な女子「綾」を目撃する。そんな出会いから始まった二人の微妙で不思議なやりとりに読んでてココロが温まります。互いにちょっとしたスランプを抱え、知らず知らずお互いを意識していた二人の間にはただの知り合いではない距離感が生まれていきます。バレーに対する青春と高校生活の瑞々しい描写がなんとも言えないステキな作品で、次作が楽しみな作家ですね。2024/05/18

みかん🍊

86
バレボール小説だがスポ根ではない、春高予選前に足首損傷した景は大事な試合に出られなくり見下していた同級生が試合に出ても悔しがるでも腐る訳でもなく仕方ない事と淡々としている事にチームメイト達もそれぞれの思いを抱く、リハビリと自主練をしながらも何故バレーを続けるのかわからなくなっていく景は怪我のきっかけとなった綾と言葉を交わすうちに彼女も漫画で賞を取った後書けなくなりもがいている事を知る、リアルな高校生のもやもやした悩み、ライバルとの会話で8秒の意味を知る、最後のバレーへの思いを取り戻した景の姿には感動した。2024/05/10

ぼっちゃん

58
高校バレーボール部を舞台とした青春小説。練習試合で足首靭帯を損傷し、その間にベンチのチームメイトが成長しレギラーの座が危なくなったり、漫画家志望の同級生との出会いなどクールな主人公が自分を見つめなおしていくザ・青春小説だった。【図書館本】2024/03/02

papapapapal

44
春高バレー予選の直前に怪我をした景。代わりにコートに立ったのは、退部届提出寸前の北村だった。何となく見下していた北村の活躍を見て、仲間との距離感やバレーとの向き合い方など、部活以前の問題に改めて直面する様子、若者特有のひりひり感が丁寧に描かれる。打ち込み方は人それぞれ、自分の一生懸命と誰かの一生懸命は違う。でも、誰の元にもピンチの後には必ずチャンスがくると信じたい! 熱血部活ものとは少し違うけど、どこにでもいる高校生のリアルが鮮やか。2024/03/20

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