出版社内容情報
池井戸潤の最新長編の舞台は、
「東京箱根間往復大学駅伝競走」――通称・箱根駅伝。
若人たちの熱き戦いが、いま始まる!
古豪・明誠学院大学陸上競技部。
箱根駅伝で連覇したこともある名門の名も、今は昔。
本選出場を2年連続で逃したチーム、そして卒業を控えた主将・青葉隼斗にとって、10月の予選会が箱根へのラストチャンスだ。故障を克服し、渾身の走りを見せる隼斗に襲い掛かるのは、「箱根の魔物」……。
隼斗は、明誠学院大学は、箱根路を走ることが出来るのか?
一方、「箱根駅伝」中継を担う大日テレビ・スポーツ局。
プロデューサーの徳重は、編成局長の黒石から降ってきた難題に頭を抱えていた。
「不可能」と言われた箱根中継を成功させた伝説の男から、現代にまで伝わるテレビマンたちの苦悩と奮闘を描く。
内容説明
それは、ただのレースではない。2年連続で本選出場を逃した崖っぷちチーム、古豪・明誠学院。4年生の主将・隼斗にとって、10月の予選会が最後の挑戦だ。故障を克服し、渾身の走りを見せる彼らに襲い掛かる、のは「箱根の魔物」。隼斗は、明誠学院は箱根路を走ることが出米るのか?絶対に負けられない戦い、始まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
322
『民王2』『ハヤブサ消防団』と、先の二作が続けて微妙だったので、どうなることかと心配していたけれど、銀行物に次ぐ得意ジャンルともいえるスポーツ系を持ってきて、なおかつ、ビジネス小説とのクロスオーバーなしで真向勝負というのが著者にとっては新しい領域。惜しむらくは『チーム』シリーズを筆頭に、素材自体は手垢がついて目新しさがない。翻せば作家の力量だけの勝負ともいえ、その点はさすがの一言。連合のメンバーにかなり幅広く目配りして描いており、レースに臨むそれぞれの背景に共感が高まる。後は下巻でのレース次第。2024/05/01
hiace9000
143
選手、監督、報道の3視点から描く『箱根駅伝』。久しぶりの池井戸作品読み。カット割り、人物描き、キャストの登場場面ーもろもろ含め「熱さ」漲る鉄板の面白さは、まさにもう"読む◯BS日曜劇場"。箱根史実や大学駅伝のリアルとフィクションの絶妙なるブレンド比率が、コアな箱根ファンの期待をも裏切ることなく感情移入させ、あらゆる読者層を取り込む没入必至の作品である。(上)は、10月予選会から年末までを描く。それぞれの登場人物にとっての箱根駅伝、"敗者の寄せ集め"と揶揄されるチームの「何のため」とはー胸熱のまま(下)へ!2024/05/16
昼寝猫
118
【ネタバレ注意⚠️】上巻を読了。箱根駅伝の正規出場チームではなく関東学生連合という寄せ集めチームの戦いを描く。堂場瞬一さんの『チーム』と同じアプローチだが、こちらは池井戸さんらしい企業ドラマ風スパイスが効いている。チーム内の軋轢や外野からの逆風が監督や出場選手を苦しめる。そこにTV局やマスコミが絡んでくる。しかしネタバレになるので多くは語れないが上巻のラストに予想外の熱いクライマックスが待っている。そしてその涙と熱量を保ったまま下巻の箱根駅伝本番へとなだれ込むのだ。こんなにワクワクする小説は久しぶりだ。 2024/05/11
のぶ
86
まだ上巻を読む限りだけど、池井戸さんのエンタメ小説は面白い。明誠学院大学の主将・青葉隼斗は箱根駅伝の本選出場を逃し、学生連合というチームでの出場を目指すことになる。このチームはオープン参加の扱いで、正式な記録は残らない。ここにスポットを当てたところが面白い。他の大学からも寄せ集められた一度限りの集団。問題だらけの中で、隼斗は出場し活躍する事ができるのか?現時点でそれは分からない。並行して描かれるテレビ報道の裏事情。池井戸さんはツボを押さえて、読み手の目を話すことなく引き込んでいく。下巻が楽しみだ。2024/05/07
はにこ
85
駅伝に出ることが叶わなかったチームの選手が寄せ集められた学生連合。確かに現実では下位に終わることが多いけど、この物語では3位以内を目指す。心がバラバラだったチームが何とか一丸に。放送する側も描かれている。正月の駅伝放送は色んな人の努力と協力で成り立っているのを感じた。何か秋の日テレドラマでやりそう。下巻へ。2024/04/26
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- 和書
- 金まみれのシマ 角川文庫