出版社内容情報
雫井 脩介[シズクイ シュウスケ]
著・文・その他
内容説明
老舗の陶磁器店を営む熟年の貞彦・暁美夫婦は、近くに住む息子夫婦や孫と幸せに暮らしていた。ところが息子が何者かによって殺害されてしまう。犯人は、息子の妻・想代子の元交際相手。被告となった男は、裁判で「想代子から『夫殺し』を依頼された」と主張する。暁美は残された想代子を疑う。貞彦は、信じたいと願うが…。家族への「疑念」を描く静謐なミステリー!
著者等紹介
雫井脩介[シズクイシュウスケ]
1968年生まれ。愛知県出身。専修大学文学部卒業。2000年、第四回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で作家デビュー。04年に『犯人に告ぐ』がベストセラーに。同年の「週刊文春ミステリーベスト10」で第一位となり、第七回大藪春彦賞も受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
448
雫井 脩介は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、魔性の女サスペンス、一気読みしましたが、最期にサプライズがあれば・・・ https://books.bunshun.jp/articles/-/7438?ud_book2022/10/22
ムーミン
345
雫井氏の作品を読むのは久しぶり。やっぱりモヤモヤ感を抱えたまま最後まで読ませていく力はさすがだと感じました。2023/03/10
まちゃ
319
タイトルにすっかり騙されました。予想外の結末。何が真実なのか、先が気になって読む手が止まらない、家族の疑心暗鬼を描いたサスペンス。面白かったです。東鎌倉で陶磁器店「土岐屋吉平」を営む久野家。長男・康平の殺人事件を発端に嫁・想代子を疑う母親と、信じたい父親。ままならない家族の関係。2022/11/22
のぶ
269
とても多面的なサスペンスだった。陶磁器展を営む貞彦とその妻、暁美は近くに住む、息子の康平とその妻、想代子と幸せに暮らしていた。ところが康平が、想代子の昔の交際相手に殺されてしまう。被告となった男は裁判で「想代子から夫殺しを依頼された」と主張する。話は基本的に暁美や貞彦の視点で進行していく。想代子は作中、頻繁に登場するが、本当の心の内面が最後まで明かされない。想代子を疑う母親と、信じたい父親。全体が不気味で重苦しい空気を漂わせて進行する。想代子の強さとしたたかさがずっと際立った物語だった。2022/10/06
いつでも母さん
244
凄い!終始口の中に残る何とも言えない苦さをどうしてくれよう。久しぶりの雫井さんを堪能した。帯の『家族への「疑念」を描く静謐なミステリー!』は噓じゃない。怪しい‥何から何まで全て老舗陶磁器店の嫁・想代子に結びついてしまう不穏さ。これはどの立場で読むかで受け止め方は違う。けれど、結局は想代子一人勝ちの感。くぅぅ、これを唸らずに読める人はいる?いみじくも『焼き締められて強くなる』この思いが想代子を言い表している。凄い!2022/10/12