内容説明
忘れることなどできようか―秘められた過去や知られざる思い。珠玉の8編。書下ろし作を収録。
著者等紹介
阿部智里[アベチサト]
1991年群馬県生まれ。早稲田大学文化構想学部在学中の2012年、『烏に単は似合わない』で松本清張賞を史上最年少受賞。14年早稲田大学大学院文学研究科に進学、17年修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みっちゃん
162
不穏な空気に満ち溢れ、嫌な予感しかない第二部始動の『楽園の烏』に比べて、何と心の安らぐ短編集だろうか。特に『ちはやのだんまり』結の恋のお相手を紹介されて、狼狽しオロオロするばかりの明留、ひたすらだんまりを決め込む千早には思わず笑ってしまう。でも、明留はこの後…最終話『きんかんをにる』こんなにお互いを信頼していた雪哉と紫苑の宮は何故…ああ、やっぱり本編の続きも気になる!2021/06/30
ぽんすけ
121
初っ端から茂さん登場で涙。雪哉もめっちゃ心開いてるし、家族もみんないい人できっと茂さんの家で過ごす休暇がとても大事なものだったんだなとよくわかる。なのにあの最後、作者鬼すぎませんか。だけど雪哉があのブラックイケオジ雪哉になるまでには更に酷いことがあるんだろうなと思うと、続きを読むのが億劫になっていく。そんな中「ちはやのだんまり」でほっこりさせてもらいました。明留も千早達のことを真剣に心配する本当にいいやつで、この子もいなくなるんかと思うと…。そしてあせびの母の浮雲の話、つらすぎる。そして鬼すぎた。2022/11/21
さこぽん
101
八咫烏シリーズⅠ部の外伝2。 奈月彦が娘・紫苑の宮の手を引く装画が素敵。バラエティにとんでいて読み応えあり。 雪哉の二面性(腹黒)。18人も妻がいる!ますほの薄の兄・顕彦が光源氏みたい。大紫の御前やあせびの母・浮雲の過去。娘ときんかんを煮る奈月彦。千早の妹・結が恋人を連れてくるが、だんまりを決め込む千早、最後に放った一言に爆笑した。←これが一番好きかな。 Ⅰ部のときに読みたかった。2021/05/10
みよちゃん
97
本編を読んだのがいつだったか忘れてしまったが、外伝でもあるし、それぞれに楽しめた。きんかんをにる、雪哉も奈月彦も幼い姫も可愛かった。二部の雪哉の印象がどうしても馴染めなくて、外伝では思い出してほっとした。2021/06/08
ゆみねこ
93
八咫烏シリーズ外伝2作目。鬼火灯籠職人の物語「おにびさく」とあせびの母・浮雲が登場する「はるのとこやみ」、奈月彦と紫苑の宮の「きんかんをにる」が印象に残りました。あせびの怖さが分かる…。早く本編が読みたい。。2021/08/02