Iの悲劇

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  • サイズ 46判/ページ数 343p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163910963
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

住民がいなくなった集落に移住してきた人々。彼らの間で不思議なほどトラブルが続き――。静かに確実に心を揺さぶる連作ミステリー。

内容説明

一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香。出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和。とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣。日々舞い込んでくる移住者たちのトラブルを、最終的に解決するのはいつも―。徐々に明らかになる、限界集落の「現実」!そして静かに待ち受ける「衝撃」。これこそ、本当に読みたかった連作短篇集だ。

著者等紹介

米澤穂信[ヨネザワホノブ]
1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞、14年には『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bunmei

646
穏やかな山村を舞台に、いつもの米澤ミステリーの要素はやや控えめの連作。過疎化の村にIターン族の誘致を始めた南はかま市。甦り課と称した課で村の活性化に奮闘する市役所職員とIターン族との話。山村生活に憧れを抱いて移住してきた人々。しかし、そこに思いもよらない問題や事件が次から次へと勃発。それらの解決に当たるのが甦り課職員の誠実な万願寺、ずぼらな観山、仕事は部下任せの西野課長の3人。この凸凹トリオとIターン族とのやりとりの中で、最後は米澤さんらしいまとめ方。全体の奉仕者としての公務員の悲哀も感じました。 2019/11/14

ウッディ

581
無人になった蓑石集落に移住者を募る再生プロジェクトを担う「甦り課」で、無気力な課長と新人の中で孤軍奮闘する万願寺。移住者が巻き起こす数々の問題や謎を解決するが、村を去る者を引き留められない。プロジェクトの成否は?こんなにも癖が強い人ばかりが集まり、次々と問題が起こる謎は、最終章で明らかになり、米澤さんらしい一冊でした。ただ、自然豊かな地で新たな生活を夢見て移住した人が村を去っていく物語は、謎解きのすっきり感を上回る寂しさを感じるともに、限界集落が再生することはないのかという無力感に気分が滅入りました。 2020/03/09

うっちー

530
ミステリー、お仕事、社会問題が詰まった小説でした2019/12/31

OSOGON15

435
滅びた集落に住民を外部から招くIターン計画に奔走する、甦り課。謎が起こり続ける連作ミステリー。移住してきた人々へ降りかかるトラブルを解決するために主人公・万願寺を始めとする観山、西野課長は奮戦(この二人は?)するも空しく、次々と住民は退去していくが・・そして全てに繋がっていたものは・・作者さんが硬い、難しいイメージだったのでどうかな?と思って読みましたが普通に面白かったです。Iの喜劇ですか?2023/05/27

ひでちん

425
人口6万程の合併市:南はかま市。役所内『甦り課』は、6年前最後の住人が転居以降廃村状態の簑石集落に市長肝入りのIターン(都会からの移住者)計画を進行する課。 課員の努力で様々な移住者が来る中、色々な事件やトラブルが発生するミステリーで全7章の連作短編集。 当初は語り部の万願寺君が事件解決をして行くのかと思いきや、まさかの普段全くやる気の無い西野課長が実質上の探偵役で、第1章終盤腰が抜けかけた(笑) どの事案も後味が悪くほろ苦い上、終章まさかのどんでん返しもあり、如何にも米澤流で滅茶滅茶面白かった!!!2023/04/04

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