かくて行動経済学は生まれり

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  • サイズ B6判/ページ数 432p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163906836
  • NDC分類 331.04
  • Cコード C0098

出版社内容情報

なぜ人の直感は間違うか。『マネー・ボール』で著者が見落としたその問題を解いたカーネマンとトヴェルスキー、二人のユダヤ人の足跡

内容説明

データ分析を武器に、貧乏球団を常勝軍団に作り変えたメジャーリーグチームGMを描いた『マネー・ボール』は、スポーツ界やビジネス界に「データ革命」を巻き起こした。刊行後、同書には数多くの反響が寄せられたが、その中である一つの批判的な書評が著者の目に止まった。「専門家の判断がなぜ彼らの頭の中で歪められてしまうのか。それは何年も前に二人の心理学者によって既に説明されている。それをこの著者は知らないのか」。この指摘に衝撃を受けた著者は、その二人のユダヤ人心理学者、ダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーの足跡を追いはじめた。

目次

見落としていた物語
専門家はなぜ判断を誤るのか?
ダニエル・カーネマンは信用しない
エイモス・トヴェルスキーは発見する
無意識の世界を可視化する
直感は間違える
脳は記憶にだまされる
人はストーリーを求める
まず医療の現場が注目した
そして経済も
説明のしかたで選択は変わる
終わりの始まり
最後の共同研究
そして行動経済学は生まれた

著者等紹介

ルイス,マイケル[ルイス,マイケル] [Lewis,Michael]
1960年ニューオリンズ生まれ。プリンストン大学から、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに入学。1985年ソロモン・ブラザーズに職を得る。ちょうど、ソロモンが住宅ローンの小口債券化を開発した時期に立ち会い、その債券を売ることになった。その数年の体験を書いた『ライアーズ・ポーカー』(1990年、角川書店)で作家デビュー

渡会圭子[ワタライケイコ]
翻訳家。1963年生まれ。上智大学文学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

63
「行動経済学」をつくった二人の天才イスラエル人の友情を描く。著者は「マネーボール」で、経験のある専門家の判断が間違うことを指摘したが、そんなことは行動経済学でとっくに言われているとレビュで書かれたことに驚き、行動経済学の取材をすることに。二人のうちの、ダニエルカールマンの一般向け書籍「ファスト&スロー」の執筆に協力したという。天才二人の生き様と多数のエピソードにいろいろ驚く。また、相変わらずの著者の語り口に感心。まあ題材のせいか彼の他の著作に比べるとやや地味かと。文庫化されているが題名が変わっている。2022/10/10

booklight

38
20%の確率で治る薬と、70%の確率で治らない薬、どちらを飲む?合理的に判断できない人間の行動を明らかにした『行動経済学』。イスラエルの二人の天才が、新しい学問を生み出す前後を描く。第二次世界大戦中、ヨーロッパでユダヤ人でいること。勃興するイスラエルでの日々。すべてにけんか腰で相手を論破していくエイモス。内省的だけど斬新な問いを出すダニエル。二人の密接なコラボが新しく挑戦的な学問を精緻に立ち上げていく。興味深い『行動経済学』と二人の天才の有様を同時に読めて二度おいしい。よし、次は『ファスト&スロー』か。2019/06/15

赤星琢哉

30
面白いなぁ〜。行動経済学を生み出した、ノーベル経済学賞ダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーの物語。判断や意思決定は無意識のうちに様々バイアス(代表性ヒューリスティック、利用可能性ヒューリスティック、妥当性の錯覚、アンカリング、確証バイアス)がかかっている。本当に注意していないと危ない。例題も出てきて面白い。非合理的な人間とAIの関わりも興味深い分野。>脳には限界がある。わたしたちの注意力には穴がある。脳はその穴を、わたしたちには見えないようにしている。人は知らないことを知っていると思う。2017/08/08

Koichiro Minematsu

13
人は自分のしたいことが全て分かっている訳ではない。好みを組み立てている。選択的アーキテクチャである。医療界でもミスの多くは、ヒューマンエラーであり、人は間違える。自動車事故における人間のエラーもしかり、判断ミス、注意力欠陥である。教えられる本でした。2018/03/17

ポレ

10
行動経済学の代表的理論であるプロスペクト理論の誕生秘話を中心に、著者のカーネマンとトベルスキーの生い立ちからを丹念に描いている。意思決定において経験則が判断を誤らせる、ヒューリスティックの発見過程はもちろん興味をそそられるが、彼らの祖国イスラエルの建国プロセス、そして第四次まで続いた中東戦争に臨むイスラエル人としての矜持は、かの戦争への賛否は差し置き、瞠目するものがあった。2017/12/05

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