マインド・コントロール

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163760605
  • NDC分類 145
  • Cコード C0095

出版社内容情報

心の隙につけこむ技術がある。いつ、どんな人が、どんな時に心を支配されるか。どうすれば解けるか。古今東西の豊富な事例で解説する

内容説明

理性的な若者をカルトに引き込み、テロリストに変貌させるマインド・コントロール。しかし、その技術は彼ら反社会的集団だけのものではない。心を操る技術は、国家的な規模で研究されてきた長い歴史を持つのだ。パブロフが先鞭をつけ、CIAも追随した、行動を操る技術。人をある種の極限状態に置き、意のままに動かすこの技術は、反体制的な人物をコントロールするため、かつて東側諸国の国家機関が利用した。一方、フロイトに代表される心理療法は、その後、天才催眠療法家ミルトン・エリクソンがその技術を大きく発展させた。心を気づかれないうちにある方向へと誘導する「イエス・セット」や「ダブルバインド」などの技法は、エリクソンが考案したものだ。これらの技術の集大成は今、広告戦略や怪しげな人心誘導術として“民間活用”されている。著者は、パーソナリティ障害や依存症の治療にも通暁した精神科医。本書では古今東西の事例を辿りながら、その正しい原理と解毒法、そして人の心を支配するタイプ、されやすいタイプなどについても分析を試みる。

目次

第1章 なぜ彼らはテロリストになったのか
第2章 マインド・コントロールは、なぜ可能なのか
第3章 なぜ、あなたは騙されやすいのか
第4章 無意識を操作する技術
第5章 マインド・コントロールと行動心理学
第6章 マインド・コントロールの原理と応用
第7章 マインド・コントロールを解く技術

著者等紹介

岡田尊司[オカダタカシ]
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退、京都大学医学部卒、同大学院高次脳科学講座神経生物学教室、脳病態生理学講座精神医学教室にて研究に従事。現在、京都医療少年院勤務。医学博士。山形大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みゃーこ

61
マインドコントロールは使われ方ひとつで人間を操り人形に変えてしまう非人道的搾取手段にもなりうるし、毒にも薬にもなる「劇薬」だと称されているだけにアンタッチャブルなのか文献が少ない。マインドコントロールというテーマの豊饒性と奥深さの深淵に触れこのテーマはつきつめるほどに人の世の一端を垣間見る非常に奥深いテーマでありうる、「マインドコントロールの問題は結局自立と依存の問題に行きつく。問われるのはどれだけ主体的に生きられるかだ」との結びの言葉は私の直感を言語化している、また関連する実験が多数紹介されている。2015/05/27

えみ

48
嫌味なあの人も、憎きあの人も、気になるあの人も、お調子者のあの人も…全員わたしのお人形さんに出来たらいいのに。なんて無謀で夢想で妄想だとは思いつつ、微かな期待を胸に抱き本書を手に取った。マインド・コントロール。この内容の類は、それを悪用して起こった出来事がただ記録されたような著書が圧倒的に多い。しかし本書では、マインド・コントロールの歴史、原理、かける又は解く技術、心理学との結びつき等々、詳細に記されている。さすがに実践することは難しそうだけれど、もしもの時のために覚えておいても損はないはず!楽しい知識。2020/11/01

茉莉花

34
佐藤優氏も推薦!もありますが読友さんの感想を見てソッコー読みたくなったので購入しました笑 マインドコントロールというと詐欺がピンとくるのですが詐欺師に騙される人「罪意識の軽薄や金欲」に対して、本書では「繋がりや自己の価値を求めて」洗脳されるという事実を知りました。思っていた以上に深いし、重いです。教団やテロでの生活で完全に逃げられない状態に追い込まれる方法とか、脱洗脳に向けての壮絶な戦いとか、ユング心理学者の意外な一面とか、知らないことばかりでした。洗脳の凄まじさや威力を決して馬鹿にはしてはいけないです。2016/01/16

funuu

27
カルト教団にしろ、反社会集団にしろ、それらが擬似家族として機能していることは、必然的なことだと言える。現実の家族から離反し、グルや教団に対して、理想的な親や家族を求めるのである。父親や母親の身代わりをそこで見つけ、彼らは転移にとらわれることで、自らを支えている。幼い頃に愛した存在を求めようとするエネルギーは、極めて根源的、強力なものなので、それは、何十年にもわたって、その人を支配し続け得る。2016/07/13

ロア

21
暗示や催眠は精神医療行為として主にヨーロッパで発達してきた。それを諜報活動に応用する為、アメリカは各大学を巻き込み研究を進めた。その後パブロフが発見した条件反射の仕組みを旧ソビエトが活発に利用し始め、アメリカでも行動心理学の研究が加速。だが、冷戦の終結など時代の流れによって、プロジェクトは縮小。しかし、研究報告書の公開や研究者による本の出版などによりマインドコントロールは一般にも知られる事となる。その手法は企業や宗教団体に積極的に取り入れられた。中には悪質なものもあり、大きな社会問題となる。2015/12/01

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