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無私の日本人

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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163757209
  • NDC分類 281
  • Cコード C0095

出版社内容情報

郷里を救った穀田屋十三郎、儒学者中根東里、歌人大田垣蓮月。江戸時代を生きた三人の評伝を通して、日本人の「無私の精神」を描く。

『武士の家計簿』で知られる歴史家・磯田道史が書いた江戸時代を生きた3人の人物の評伝。仙台藩吉岡宿の困窮を救うために武士にお金を貸して利子を得る事業を実現させた穀田屋十三郎、ひたすらに書を読み、自ら掴んだ儒学の核心を説いて、庶民の心を震わせた中根東里、幕末の歌人にして、「蓮月焼」を創始した尼僧・大田垣蓮月。有名ではないが、いずれの人物も江戸時代の常識や因習を疑い、ときにはそれと闘い、周囲に流されず、己の信ずる道を突き進むことで、何事かをなした。空気に流され、長いものに巻かれるのが日本人だとすれば、3人は「例外的」日本人である。しかし、磯田道史は3人の人生にこそ日本人がもっとも強く、美しくなるときに発揮する精髄を見出した。それは、己を捨て、他人のために何かをなしたい、とひたむきに思う無私の精神である。評伝にとどまらない、清新な日本人論が登場した。

内容説明

『武士の家計簿』から九年、歴史家・磯田道史が発見した素晴らしき人々。穀田屋十三郎、中根東里、大田垣蓮月。江戸時代を生きた三人の傑作評伝。

目次

穀田屋十三郎
中根東里
大田垣蓮月

著者等紹介

磯田道史[イソダミチフミ]
1970年、岡山市生まれ。2002年、慶應義塾大学文学研究科博士課程修了。博士(史学)。現在、静岡文化芸術大学准教授。研究の知見を活かし、歴史上の人物を生き生きと描きつづけている。次の震災に備えて、浜松市に移住し、大津波を記録した古文書を渉猟している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

90
「穀田屋十三郎」の章だけ読む。金もいらぬ。名もいらぬ。死も恐れぬ。主人公たちがつき動かしている気持ちは何だろうか?彼らが最も恐れたことは「貧困」ではないか。自分たちが飢えで苦しむ・辱めを受けるのが怖いのではない。コミュニティ全体が貧困に陥ったときに見る地獄の光景(窃盗・殺人・詐欺・強姦・汚職・暴力など)が最も恐ろしい。その一心が彼らをつき動かしていたのではないか。今の日本人でも穀田屋や菅原屋のような行動を取れる人物、彼らをサポートできる人々はいる。ただそれには貧困をもっと身近に感じないとできないだろう。2018/03/31

冴子

67
映画「殿、利息でござる」の原作を読みたくて、図書館で借りた。本書には3人のまさに無私の人々が描かれている。あとがきにはきっかけとなった手紙のこともあり、穀田屋さんの子孫とも会ったが、彼らもまた先祖の善行については語らない。先祖からの遺言だから、と書かれていた。中根東里も蓮月も素晴らしい人だった。無名であることが惜しい。小説家でない人の筆なので、正直読みやすくはなかったが、人物像を歴史的背景を説明しながら描いてくれているので、興味深く読むことができた。2016/11/18

ひらちゃん

67
単行本にて。『殿、利息でござる』の穀田屋十三郎。吉岡宿の為に立ち上がった菅原屋や浅野屋。大願成就でアッパレであった。中根東里、蓮月老尼。無私と言う言葉が当てはまるこれほどの人を知らなかった無知に恥入る。無私故にあまり残されていない事実。作者の研究の粘り強さに感嘆。凄い日本人が居たもんだ(驚)2016/05/24

B-Beat

45
◎偶然にこの作品の映画化を知る。題名は「殿、利息でござる!」出演者は阿部サダヲ&瑛太&妻夫木聡の各氏。来年8月公開。以上、映画のPRをしたくなるほどにこの本に登場する歴史上の人物を知ってもらいたくなった。この本の感想はそのことに尽きるという感じ。映画になるのは「穀田屋十三郎」「中根頭東里」「大田垣蓮月」の3人のうち「殻田屋十三郎」のエピソード。残る二人についても初めて知る存在で大変興味深く読めた。著者の磯田道史氏、平成の司馬遼太郎との呼び声もと。またまた読みたい本が増えていきそうな気がする。2015/07/22

クリママ

42
穀田屋十三郎、中根東里、大田垣蓮月について書かれたもの。江戸時代の政治の制度のことまで解説され、また、日本人の生活信条のもとになっていることも解き明かされ、とても興味深い。が、今の日本で、彼等のように無私となって他人に尽くす人がいるのだろうか。特に、「穀田家十三郎」では、帚木蓬生「水神」思い出した。あとがきによれば、いずれ息子に伝えたいと思って書かれたとのこと。その思いがよくわかる、文献を探し読み込み丁寧に書かれた作品だ。2018/02/23

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