錯覚の科学―あなたの脳が大ウソをつく

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 373p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163736709
  • NDC分類 145.5
  • Cコード C0098

出版社内容情報

ハーバード大学の俊才たちが、最先端科学実験で次々に明らかにする、あなたの記憶のウソ、認知の歪み、理解の錯覚。科学読み物。

はじめに 思い込みと錯覚の世界へようこそ

実験Ⅰ えひめ丸はなぜ沈没したのか? 注意の錯覚
潜望鏡で海上を監視していた潜水艦長は、えひめ丸が「見えていた」のに「見落とした」という。だが、これは不思議ではない。人間は、バスケの試合に乱入したゴリラにさえ、気づくことができないのだ

実験Ⅱ 捏造された「ヒラリーの戦場体験」 記憶の錯覚
ヒトは記憶を脳に定着させる時、「本当にあったこと」だけでなく、「あるべきこと」を勝手に混同してしまう。ヒラリークリントンが大統領選で語った「戦場体験」のウソも、このメカニズムで作られた

実験Ⅲ 冤罪証言はこうして作られた 自信の錯覚
レイプ魔の顔貌を細部までしっかり目に焼きつけた被害者女子大生は、自信たっぷりに「犯人」の顔写真を選び出した。ぶれることのない法廷供述は完璧だった。だが、真犯人は全くの別人だったのだ

実験Ⅳ リーマンショックを招いた投資家の誤算 知識の錯覚
投資ゲームに勝てるのは、より多くデータを収集・分析した者だろうか? 否、手持ちの情報が多いほど、判断の目が曇らされる。事実、情報が少ない投資家の方が多いリターンを手にしているのだ

実験Ⅴ 俗説、デマゴーグ、そして陰謀論 原因の錯覚
「セックスで若返る」「9・11事件はブッシュ政権の陰謀」「ワクチン接種で自閉症になる」……根拠のない話が、なぜ定説となってしまうのか? 偶然を必然に捉えたがる人間心理の陥穽

実験Ⅵ 自己啓発、サブリミナル効果のウソ 可能性の錯覚
「モーツァルトを聴くと頭が良くなる」「潜在意識を刺激すれば消費者マインドを刺激できる」……科学実験ではことごとく否定されているこれらの説は、なぜ広く信じられているのか?

おわりに 直感力は信じられるか?

内容説明

サブリミナル効果などというものは存在しない。いくらモーツァルトを聴いても、あなたの頭は良くならない。レイプ被害者は、なぜ別人を監獄送りにしたのか?脳トレを続けても、ボケは防止できない。「えひめ丸」を沈没させた潜水艦の艦長は、目では船が見えていたのに、脳が船を見ていなかった。徹底的な追試実験が、脳科学の通説を覆す。

目次

はじめに 思い込みと錯覚の世界へようこそ
実験1 えひめ丸はなぜ沈没したのか?―注意の錯覚
実験2 捏造された「ヒラリーの戦場体験」―記憶の錯覚
実験3 冤罪証言はこうして作られた―自信の錯覚
実験4 リーマンショックを招いた投資家の誤算―知識の錯覚
実験5 俗説、デマゴーグ、そして陰謀論―原因の錯覚
実験6 自己啓発、サブリミナル効果のウソ―可能性の錯覚
おわりに 直感は信じられるのか?

著者等紹介

チャブリス,クリストファー[チャブリス,クリストファー][Chabris,Christopher]
心理学者。ニューヨーク・ユニオンカレッジ教授。1966年ニューヨーク生まれ。ハーバード大学にてコンピュータ・サイエンスを専攻。チェス王者たちの認知メカニズムの研究によりPh.D.取得(心理学)。ハーバード大学医学部等で人間の認知メカニズムや神経心理学の研究を重ねる。「見えないゴリラ」の実験は人間の認知メカニズムの陥穽を鋭くえぐり出し、心理学における最重要論文のひとつとなっている。『錯覚の科学』にてイグ・ノーベル賞受賞(2004年)

シモンズ,ダニエル[シモンズ,ダニエル][Simons,Daniel]
心理学者。イリノイ大学教授。カールトン・カレッジにて認知科学を専攻後、1997年、コーネル大学にてPh.D.取得(心理学)。ハーバード大学医学部にて、人間の認識、記憶、意識の限界をテーマとした研究を重ねる。97年にハーバードでチャブリスと出会い、「見えないゴリラ」実験の共同研究者となる。イグ・ノーベル賞受賞(2004年)。2人の研究成果は、米国の人気ドラマ「CSI:科学捜査班」にもたびたび使われている

木村博江[キムラヒロエ]
東京都生まれ。国際基督教大学卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

79
テレビでも紹介された有名な実験「見えないゴリラ」。画面に映る何かを数える課題を与えられると、画面の中央で胸を叩くゴリラが見えなくなる。人間は本来そうできていて、不注意で説明できない脳の性質がある。実験の条件を変えて繰り返し、今まで信じられてきた記憶力や注意力に関する誤解を暴いていく。absintheは、こっそり会社の同僚で試したが、本当に見落とすのでびっくりした。車の運転や操縦にかかわる錯覚や誤解は貴重な教訓になる。危機管理にかかわる人、重機や車の運転にかかわる人なら一読すべきだろう。

Shintaro

70
人はなにかに熱中していると、たとえゴリラの着ぐるみを着た女性であろうと、いとも簡単に見逃してしまう。著者はこのことを示し、イグ・ノーベル賞を受賞した。1~2章は興味深く読んだ。5章では疑似相関の説明に終始した。尺が長いのである。心理学をかじった読者なら大半は知っているのではないか。問題は、この手の本を読む読者は既に読む必要がなく、読んでもらいたい人に限ってこの手の本に見向きもしない。だから僕はさわや書店フェザン店に注目する。本当に読んで面白い本を押す。それって、本屋大賞ができたときの趣旨じゃなかったっけ。2017/04/23

ヴェネツィア

66
人間が陥ってしまう錯覚を、認知心理学の立場から、さまざまな実験を通して例証したもの。その結果は実に驚くべきものだ。今や古典的ともなった、有名な「見えないゴリラ」の実験や、ヒラリー・クリントンの失敗など、いずれも「目から鱗」間違いなし。人間の脳というものは、かくも騙されやすい。そう、シーザーが言うように「人は自分の見たいものしか見ないもの」なのだろう。2012/05/21

壱萬弐仟縁

33
実験Ⅰ えひめ丸沈没。 潜水艦と漁業実習船の衝突。 9名が死亡した(24頁)。 艦長ワドルと甲板士官は潜望鏡で のぞいていたにもかかわらず、 なぜえひめ丸の姿を見落としたのか(25頁)。 目は向けていても、見えていない事故(26頁)。 天井版の事故はどうなのか。 似ている事例か。 バイク事故がおおいが、 想定外の立場で想定外のできごと に対して、敏感になることは 可能か(30頁)。 2014/05/07

tomose

29
人間の記憶違い、思い込み…。絶対に間違いない!と自信あっても実際は曖昧な記憶なんですよね。もっと、重くなるとそれで、誤認逮捕とか冤罪が起こる。私も勘違いやら、見間違いが多いので気を付けなければ!2014/06/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/2076433
  • ご注意事項