助けてと言えない―いま30代に何が

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  • サイズ B6判/ページ数 230p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163731704
  • NDC分類 366.021
  • Cコード C0095

出版社内容情報

急増する30代ホームレス。その多くが社会に助けを求めないのはなぜか? 30代の孤独な実態を描き、反響を呼んだ番組を書籍化。

内容説明

派遣切り、ホームレス、孤独死―。社会から孤立する三十代が急増している。なぜ、彼らは「助けて」と声を上げないのか?就職氷河期世代の孤独な実態を描き、昨年度「クローズアップ現代」で最高視聴率を上げた番組を単行本化。

目次

第1章 「助けて」と言えなかった―孤独死した三十九歳の男性
第2章 ホームレス化する三十代―炊き出しに集まる若者たち
第3章 「何が悪いって、自分が悪い」―三十二歳の“イケメン”ホームレス
第4章 ネットで広がった共感の声―「他人事ではない」「明日は我が身」
第5章 手遅れになる前に―NPO代表・奥田知志さんの闘い
第6章 三十代の危機(平野啓一郎)
おわりに―“助けて”と言える社会へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

38
社会問題関係を続けて読むと自分とは、アイデンティティとは、尊厳の保持とは。。等など抽象論と現実の境界が曇ってくる。本音と建前、理想と現実世の中は、時代はうねってきていると思う・・現代に入ってのことだが。近代では個人の権利すら論じなかったろう。作中に出てくる入江さんの言動が取材班の方向とと合致しているのだろうか。いかにもの現代ホームレス。昭和初期にはいなかったろう彼らの在り様・・助けてと声を出す事を潔しとしない。2014/02/19

けんとまん1007

37
もしかするとこの番組を見ていたのかもしれない。奥田牧師の活動について、テレビで観た記憶がある。靴を見るとわかるという奥田さんの言葉が印象に残る。助けてと言えない。それは、個人というよりも、そう言わざるを得ない状況を作っている(作ってきた)この国の姿の現れだと思う。書かれた当時と、今では、経済状況は違うように一見見えているが、その陰で進行している部分は、変わっていないのではないかと思っている。誰もが、ここにいきつく可能性があるのが、今。最低限のセーフテイネットが、確実に、取り払われているのではないか。2015/11/11

ころりんぱ

35
2010年出版の本。まさにこの助けてと言えない世代の自分。努力、根性、競争に勝つ。頑張りは報われる、挫折は頑張りが足りないための自己責任。すり込まれたこの感覚は未だに自分を生きづらくさせているという自覚がある。そんな私でも、同じ世代でホームレスと聞いたら、やはりその人に問題があるのでは?と偏見を持ってしまう。孤立してしまった人が、「助けて」と言えるように、その「助けて」の声を聞ける社会が整わないと。ホームレス支援のNPOの奥田さんの寄り添い方、失敗しても「はい、次いこ〜」と言える伴走者が必要だ。2013/09/08

シュラフ

29
まずは39歳の若さにして餓死した男性に合掌。飽食の日本で有り余る残飯が捨てられていく中で餓死者が出るというのは奇怪な話である。男性がなぜ死に至ったのか、取材班は男性の足跡を追っていく。その中で明らかになったのは必ずしもこの男性のケースは特異なものではないということ。そしてその背景にある厳しい雇用環境という一面を突き止めていく。NHKらしい秀作である。問題の本質について、"若者に厳しい世の中がわるい"のか"挫折しやすい若者がわるい"のか議論の分かれるところであろう。社会福祉と経済政策について考えさせられる。2016/01/02

のの

29
明日は我が身、と身につまされながら読んだ。いま現在の自分なら困った時でも「助けて」と言える余裕があるけれど、家も仕事も家族もなくなって困窮したら「助けて」とは言えなくなると思う、申し訳なさすぎて。こんなやつですみません、ご迷惑おかけしてすいません、って。でも一方で、誰かが困っているのなら、「何も迷惑じゃないから!手を伸ばして!ほら!!」って言えるし、言いたいのだ。実際何ができるのかは置いておいて。わたしみたいな人は、わりと多いんじゃないかなと思う……思いたい…。全か無か、0か1か、って社会はつらすぎる。2014/05/12

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